Japanese
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轟音で唸るギターを聴けば、90'sグランジ/オルタナがバンドのバックボーンであることは明らかだが、それだけじゃないと思わせる多彩な7曲が収録されている。ギタリスト、プロデューサーとしても活躍している奥村大(Vo/Gt)が率いる3人組が前作から1年ぶりに完成させた新作。作品全体にあふれる苛立ちやヒリヒリとしたムードは奥村のパーソナリティによるところが大きいようだが、曲の作り方はもちろん、それだけで終わらせないさまざまなアイディアが随所に散りばめられ、それが前述したように世界観の広がりを感じさせる「Dusk」を始め、幅広い曲に実っている。メロディからこぼれる言葉の多さは、それだけ言いたいことがあるということだろう。多めに加えられたメンバーによるハーモニーもいい感じだ。(山口 智男)