Japanese
Saku
2015年05月号掲載
-その一方、曲作りではスランプに陥ってしまったようですね。
そうなんです。でも渋谷店の先輩がみんな音楽に詳しくてお節介なので(笑)、アーティストの時代背景まで教えてくれたりして。THE BEACH BOYSとかを自発的に聴くようになったのもこれくらいです。今回アルバム(『FIGHT LIKE A GIRL』)でTHE CUREの「Boys Don't Cry」をカヴァーしたんですけど(Track.3)、THE CUREも先輩が教えてくれて好きになったバンドなんです。だからタワレコで働いてなかったら、もっと薄っぺらくて音楽的じゃないものになってたと思うし、今の音楽性はないと思います。だから10代でデビューしてたら......と考えるとすごく恐ろしいです(笑)。
-今のこの道が、Sakuさんの進むべきものだったんでしょうね。ヴォーカル・スタイルが確立してきたのもこの時期ですか?
そうですね。高校生のときからTHE SMITHSやJohn Mayerが好きになって、TOWER RECORDSに入ってからよりギター・ポップや渋谷系にずぶずぶハマっていったんですよね。それでいろんな音楽を聴いていくうちに"あ、うまく歌わなくてもいいんだ!"と思って(笑)。
-ははは(笑)。確かにギター・ポップや渋谷系はMariah Careyのような圧倒的歌唱力を持つシンガーというよりは、個性的なシンガーが多いですよね。
THE SMITHSもピチカート・ファイヴもフリッパーズ・ギターも歌がうまいとか下手とかそういう次元じゃないなと気付かされて、そういうオリジナリティがある歌が歌いたいと思ったんですよね。それで自分の声と向き合っていった......という感じですね。ハスキーな要素もありつつ甘さがあるって言われてます(笑)。
-地声を無理なく活かした、オリジナリティがあるヴォーカルだと思います。そういう流れでバンド・サウンドの欲求が出てきたんですね。
いろんな音楽を聴くようになってから弾き語りでは物足りなくなってきて、自分の表現したい音楽の世界観が弾き語りではないことに気付いたんですよね。それで2年前くらいに大学の先輩にサポートで入ってもらって、それからバンド体制でやってます。
-バンドを組む、という発想は?
あんまりなかったんですよね。自分のやりたい世界観を表現するために、一緒に協力してくれる人を探すというか。ライヴも弾き語りのブッキングが多かったので、バンドを一緒にやる友達がいなくて、それも嫌だったんですよね。"私はバンドと対バンしたいんだー!"って思うようになって(笑)、バンド・スタイルでやることでバンドのイベントに出させてもらうように自分でブッキングしたりしてました。それからバンドの友達も増えていって、楽しくなってきましたね。
-そして2014年に満を持してインディーズ・デビューを果たします。今作でも楽曲プロデュースとアレンジを担当しているカジヒデキさんと野村陽一郎さん、トータル・プロデュースを担当している吉田 仁(サロンミュージック)さんとの出会いが、Sakuの世界を格段に広げてくださったのでは。
そうですねー......よりギター・ポップ愛が強くなったきっかけでした。やっぱりカジヒデキさんはずーっと昔から売れる売れない関係なくギター・ポップに一途なミスター・スウェーデンなので、音のひとつひとつに愛がこもっていて。今回のアルバムとシングルでもカジさんにベースを弾いていただいていて。レコーディングのときも私が考えたコーラスを聴いて"こういうメロディ・ラインを入れてみたら?"と作ってくださって。別にプロデューサーではないので普通ならそこまでしなくてもいいのに、すごく自分ごとのように考えてくださったのがすごく嬉しくて。サポート感というよりは、一緒に作り上げよう!という気持ちで完成できたなと思います。
-作業はどんなふうに進んでいくんですか?
アルバムの『FIGHT LIKE A GIRL』は打ち込み編と生音編で分けて作ったんです。打ち込み編は野村陽一郎さんの家でレコーディングをしたり。アレンジは基本的に自分で考えて、GarageBandでドラムやベースを打ち込んで"こういうふうにしたい"と決めたうえでアレンジャーさんに提出するんです。なので野村さんとは一緒にデモを作り上げていくことも多くて。生音編はカジさんとAnalogfishの斉藤 州一郎さん、SISTERJETのWATARU.Sさんと私でやったアルバムの2~4曲目で、リハで合わせたときから"やばい、いいアルバムできるわ......!"みたいな手応えがあって。特に「ゆがんだやつ」(Track.2)はいい意味で破滅しているというか(笑)、サウンドがぎっしり詰まっていてBPMも速い曲で。みんなミュージシャンなので、私がGarageBandで作ったデモにさらにそれぞれのエゴを出し合うというか。普通にアレンジを発注して作ってもらうんじゃ表現できないサウンドだと思うんですよね。そういうところが音楽的だなと感じましたし、それがいいアルバムを作るうえでとっても良かったことだと思いますね。
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