Overseas
PEACE
2015年03月号掲載
Member:Harrison Koisser(Vo/Gt)
Interviewer:山口 智男
2年ぶりにリリースした2ndアルバム『Happy People』はリリースされるいなや、前作『In Love』を上回るヒットを記録。新作におけるサイケデリック且つダンサブルなギター・ロック・サウンドの進化を考えれば、それも当然と頷けるが、前作発表後、精力的にツアーを続けながら、ライヴに明け暮れる日々に疲弊するどころかバンドは着実に成長を遂げていたわけだ。B-TOWNと呼ばれるバーミンガムのインディー・ロック・シーンの急先鋒としてデビューしてきたPEACEは思いのほか、骨のあるバンドだったようだ。
-2年ぶりの新作『Happy People』をリリースした現在の心境は? リリース直前はどんな反応が得られるかわくわくしていたと思うのですが、どんなふうに受け入れられるかちょっと心配という気持ちも多少はありましたか?
心配と言うよりは、どんな受け入れ方をされるか予想していたと言ったほうが正しいかな。こんな受け入れ方をされるだろうって思っていたら、まさにその通りだったんだ。リリースされて、今はすごくホッとしているんだけど、でも、こうなるってわかっていたよ(笑)。
-前作リリース後、ずっとツアーし続けていた印象があったのですが、新作の制作に使える時間は十分にありましたか?
かなりもがいていたよ。"いつ曲作りができるんだ!"って葛藤の日々だったけど、そのあとすべてをやめて、ホテルの一室にこもって黙々と曲を作っていた。遊ぶことも、人と会うこともしないで、人間としてはとてもつまらない奴だったけど、個人的には本当に楽しい制作時間ではあった。ひとりの空間で曲を作るのって贅沢だし、結構素敵な時間だよ。
-デラックス・バージョンにはさらに8曲追加され、全18曲収録されています。ということは、今回、新作を作るにあたってかなりたくさん曲を作ったということですよね? 何曲ぐらい作ったんでしょうか? 曲作りは苦にならないタイプ? それとも今回、曲作りは大変だった?
全部で25曲くらい作った。スタジオに入ったら居心地よくて、もっともっとレコーディングしたいと思っていたんだ。近ごろはデラックス・アルバムを作るのってお決まりみたいなものだから、商業的にデラックスを作るのはあまり好きじゃないんだ。ほとんどの場合はB面曲を投げ込んでいる感じだけど、僕たちはそんなバンドにはなりたくない。夜通し仕事をして、スタジオに長時間いて作り上げたのがこのデラックス・バージョンなんだ。僕自身10曲足して、ダブル・アルバムにしたいと思っていたけど、8曲で精一杯だった。でも、これほどのトラックを足すことができて嬉しく思っているよ。
-それは意欲的になっていたとか、すごくインスパイアされてどんどん曲ができちゃったとかって感じですか?
そうだね。それについて考えていたんだけど、今僕のこの年齢が1番クリエイティヴな歳なんだと思う。何をやっても溢れ出てくるんだ。常に感情的になって、インスピレーションを受けるのっていいことだと思っている。
-前作は方向性を探りながらの制作だったそうですが、今回は、どんな作品にしたいと考えたんですか? 個人的には、前作の延長上で表現の幅をさらに広げた作品という印象でしたが、今回、テーマややってみたいことはどんなことだったんでしょうか?
そのとき感じているもの、考えていることをはっきり伝えたかっただけなんだ。ソングライターとしての責任感があるから、誠実に物事を伝えたかった。本当のことを伝えれば人はそれに反応してくれる。この時代、2015年に、この若さで世の中を見ることができることを最大限利用して自分の思いや考えを同じ世代の代表として歌にしていけるなんて最高だと思うよ。何か言えるなんてすごいよね。
-オールディーズ風のバラード、サイケ・フォーク、THE BEATLESやTHE ROLLING STONESを思わせるロックンロールも含め、前作よりも幅広いタイプの曲を作っているし、アレンジの幅も広がっていますが、多彩な曲を作ることは今回のテーマのひとつだったのでは?
確実にそうだよ。前向きな考えを持ちながら、名曲へのリスペクトを持ち続けたい。特定の時代を感じさせない作品にしたかったんだ。未来的な要素を取り扱ったらなんだか信憑性がないような気がしたんだ。僕は昔の音楽を聴いて育った。2009年くらいまで現代の音楽を聴いたことがなかったんだよ。わかるかな? 自分の時代のずっとずっと前の素晴らしい音楽の虜になっていたんだ。THE WHO、LED ZEPPELINや60年代の音楽ばかり聴いていて、14歳のときに初めてNIRVANAを聴いた。それでも古いけどね。大学に入ってからやっと"今"の音楽を知ったんだ。18歳のときにテクノ・クラブで働いたけど、それも新しいサウンドではないよね。90年代のハウスとかも聴いた。未来の音は自分にはできないものだと思う。過去を齧って、未来に吐き出すのっていいことだと思うよ。若いキッズに自分たちを聴かせると、彼らは昔の音楽なんて知らずに、身体で歴史を感じることができるんだ。もちろん年齢の上の人に言わせると"君たちのような若造にPRIMAL SCREAMがわかってたまるか!"って思うだろうけど、キッズはPRIMAL SCREAMを知る前に僕たちの音楽を聴くだろうから、それはそれで受け継いでいけているんだよ。
LIVE INFO
- 2024.12.01
- 2024.12.02
- 2024.12.03
- 2024.12.04
- 2024.12.05
- 2024.12.06
- 2024.12.07
- 2024.12.08
- 2024.12.09
RELEASE INFO
- 2024.12.04
- 2024.12.25
- 2025.01.08
- 2025.01.22
- 2025.03.28
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
ASP
Skream! 2024年09月号