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INTERVIEW

Japanese

フラワーカンパニーズ

2015年01月号掲載

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Member:鈴木 圭介 (Vo) グレートマエカワ (Ba)

Interviewer:天野 史彬

-ちょっと話が戻るんですけど、"生きる"ことを歌うために"死"を歌うということに関して、"死"をモチーフに曲を書くことは、鈴木さんにとってはすんなりと出てくるものなんですか? それとも、苦しみがあるんですか?

鈴木:う~ん......曲によるんだけど、苦しくはないね。死ぬっていうことに対して、すごく距離が近くなってるから。10代や20代のころよりも"死ぬ"っていうことに距離が近くなって、今は死が目の前にあるんだよ。20代のころは明日死ぬなんて思ってなかったけど、今は明日死んでもおかしくないし。それは自分だけの問題じゃなくて、周りの人もみんなそうだし、メンバーもそうで。25年もバンドやってるとそれが当たり前になってるけど、みんなどんどん老いがきてるし、体壊し始めてるんだよ。長距離移動がキツくなったり、老眼鏡買ったり、腰やられたり、俺も風邪でライヴとばしたり。そういうのって今までなかったことだから。......だから、苦しくはないかな。死が身近にあるから、それをすくい取るだけっていうか。周波数が合うかどうかっていうだけだから。その周波数が合ったときは、全然苦しくないね。

-6曲目の「祭壇」は、タイトルからして"死"を連想させる曲ですよね。この曲の"アルバムのみんな 15才のみんな/今はどこで 何をしている?"というラインが印象的で。これを聴いたとき、このアルバムは鈴木さんにとっての歌の存在とか、フラカンの歴史とか、そういうものを"死"を通して見直すきっかけでもあったのかなって思ったんです。

鈴木:唯一このアルバムの中で25周年記念の曲があるとしたら、この曲かな。この曲ってすごい古い曲で、『ハッピーエンド』のときにもうあって、震災前にはあった曲なの。で、俺自身もすごい気に入ってて、自信のある曲だったんだけど、震災前の曲はやらないっていうコンセプトで前のアルバムは作ったし、当時からタイトルがこれだったから、あのときは出したくないって思って。でも、やっぱりもう1回やりたいなと思って出してきた曲なんです。......15才って、要するに中3なんですよ。このメンバーが初めて出会った歳。ギターの竹安は高校からだから違うんだけど、ある意味、フラカンはあのとき結成されたに近くて。で、今もまだ続けてるでしょ。でも、いつ死ぬかわかんないじゃん。誰か欠けたときに、どうなるかなっていう。25周年なんだけど、中3のときにクラスが同じになって、席が隣になって......言ってしまえば、その瞬間がバンド結成の瞬間なような気がする。で、あのときから自分は変わっているのかいないのかもよくわかんなくてさ。あのころからの自分を引きずりつつ、今もずっとやってて......もっと言うと、同級生とかは、もう何人か死んじゃってるんだよね、事故とか病気で。だから、すごいのよ、今の俺らのライヴ。地元が名古屋なんだけど、40代になってから名古屋でライヴやると、同級生がすごい来るの。年々来る人が増えてくんだよ。

グレート:Facebookとか使って集まるんだよな。

鈴木:そうそう。でも、それもあるけど、やっぱり死ぬことが近くなるから、みんなこの機会に集まるんだよ。俺らのライヴで集まるの。ほんとすごいんだよ、名古屋のライヴは。何十人と来るの。30代のころはそんなことなかったんだよ。でも今は、同級生が病気で死んじゃったりっていうことがあって、年上の人も亡くなっちゃったりするし、みんな死ぬことが目の前にあるんだよね。そういうことを込めてる歌かな、これは。作ってるときはそんなこと考えなかったんだけどね。

-なるほど......時間もないしそろそろ締めようと思うんですけど、なんだか、話せば話すほど不思議なアルバムですよね。

鈴木:うん......そうだね。

-"このアルバムはこうである"って、まとめない方がいいですよね。

グレート:いやいや、それは聴いた人それぞれのひと言でまとめて欲しいかな。俺らはまとめられないから。

-でも、フラカンが"生きる"っていうことを実直に描くと、ここまで複雑且つ不思議なものになるという。

鈴木:そうだね。やっぱりそれなりに豊かな人生を歩んできてるから、ひと言では言えないものが出てきてるのかもしれないね。