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INTERVIEW

Japanese

アーバンギャルド

2014年06月号掲載

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Member:浜崎 容子 (Vo) 松永 天馬 (Vo) 瀬々 信 (Gt) 鍵山 喬一 (Dr)

Interviewer:荒金 良介

アーバンギャルドが移籍後、初のニュー・アルバム『鬱くしい国』を完成させた。メジャーに腰を据えて4年目に入るが、これまで培ってきた経験を総動員したビックリ箱的刺激を備えた全11曲。筋肉少女帯の大槻ケンヂをフィーチャリングした「戦争を知りたい子供たち」など個性極まる楽曲が勢揃い。

-初登場になるので、バンドの始まりから教えてもらえますか?

松永:ゼロ年代後半から"トラウマテクノポップ"バンドを標榜してライヴ活動を始めました。病的にポップ、痛いほどガーリーを掲げ、ロキノン系バンドならぬ、ロキソニン系バンドとして、現代人の心の闇にストライクな楽曲を作り続けております!

-"トラウマテクノポップ"という言葉をもう少し解説してもらえますか?

松永:テクノ・ポップというと明るく爽やかなイメージを皆さん持たれていると思うんです。しかし本来はオリジネイターであるYMOから始まり、ヒカシュー、プラスチックス、P-MODELなどなど、もっと批評的で攻撃的だった。で、アーバンギャルドはそれらオリジネイターが持つアイロニーやシニカルな側面を現代に復権させようと。最近はバンド・サウンドにもだいぶ近づいてきたけど、テクノ・ポップの信条みたいなものは持ち続けたくて。僕は1982年生まれなんですけど、その辺の音楽は今聴いても新しいし、一方で今の時代はアイドルやボーカロイドも人気がありますけど、アーバンはその要素をすべて持ちうるグループなのかなと。

-なるほど。浜崎さんは?

浜崎:音楽的なルーツはフレンチ・ポップが好きで、シャンソン歌手もやってたんですよ。テクノ、テクノ・ポップ、電子音も好きで、自分の中では相反するものだと思っていたけど。アーバンギャルドはそれを混ぜこぜにした音楽かなと。普遍的で王道のノスタルジックなメロディ、それに生楽器や電子音もあるし、それをさらに今回のアルバムで表現できたんじゃないかな。

-もともとフレンチ・ポップが好きなんですか?

浜崎:(セルジュ・)ゲンスブールがすごく好きで。歌詞もダブル・ミーニングや政治的だったり、性のことを言っても下品にならない。アーバンギャルドもおこがましいけど、結構共通する部分があるんじゃないかと。

松永:歌詞は僕が書いてるんですけど、ゲンスブールも大好きですし。ダブル・ミーニングで解釈をリスナーに委ねることは大事かなと。あまり分かりやすくしたくないし、イメージを喚起させる歌詞を意識してます。

-浜崎さんは自分で歌詞を書こうとは思わない?

浜崎:アーバンギャルドでは書かないです。ソロでは書いてるけど、アーバンの世界観のような歌詞は書けないです。私が書くと生々しくなるし、アーバンのファンタジーな世界に合わない。メロディは表現できるけど、歌詞になると人間性が絶対に出るから。個人的なものが出ちゃうので、それはアーバンじゃなくなるから。

-生々しくなるとは?

浜崎:女の人の嫌な部分を書くと思う。結構大きなことをアーバンギャルドでは言ってると思うので、私が書くともっと性格が悪い女の子が登場しそう(笑)。音やメロディでこうしたいという気持ちはあるけど、歌詞は詩人が書くべきだと思ってて。面白い言葉を書ける人が書いた方がいいと思うから。そういう意味で松永天馬に敵う人は私の周りにいないので、ずっと彼に書いて欲しいですね。

-瀬々さんは?

瀬々:僕の音楽ルーツはハード・ロック、メタル、アニソンで、実はテクノなんて全く聴いてなくて。唯一聴いていたのは電気グルーヴですね。僕と天馬は大学で出会って、同じ授業の中で曲を作りたいと言ってきたので、手伝ってみたんですよ。

-軽音楽部のサークルですか?

瀬々:いえいえ、授業の一環なんですよ。

松永:宗教学の授業です。

-何かしら音楽と関連があるんですか?

瀬々:宗教とメディアをどんな形でもいいから結び付ける授業で。そのメディアとして選んだ先が僕も天馬も音楽だったんですよ。それから2人で曲を作り始めたのが最初です。で、曲も溜まってきたし、ライヴをやりたから、そこでメンバーを集めんですよ。アーバンギャルドのコンセプトを考えると、松永天馬は昔から何もブレてないですね。

浜崎:大学時代から?

瀬々:うん、ずっと貫き通してる。