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INTERVIEW

Japanese

MONICA URANGLASS

2014年02月号掲載

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Member:68 (Vo/Syn/Prog) GEORGE (Ba)

Interviewer:荒金 良介

MONICA URANGLASSが約2年半ぶりとなる3rdアルバム『YIPSLIPS(イップリップス)』を完成させた。前作以降、異種格闘技的な対バンにより、広汎に渡る活動で地力とセンスに磨きをかけてきた3人組。フル作としては初のセルフ・プロデュースで挑んだ今作は、ロック、エレクトロ、ダンス・ミュージックなど多様なエッセンスがごった煮されながら、バンドの遊び心や斜め上をいくアプローチが冴え渡った力作に仕上がっている。メンバー本人も"自信があったかもしれない"と零しているが、それも頷けるサウンドと言えるだろう。

-今作を聴かせてもらいまして......。

68:ありがとうございますっ!

-(笑)取材なので事前に聴きますよ。MONICA URANGLASSは雑多な音楽性を掲げてて、今作もそれを引き継ぎながら、どこにも軸足を置いてない面白さが出てますよね。

68:そうっすね。これまでたくさん音源を出したけど、いままでは常に新しいものを意識してたんですよ。でも今回は新しいものを半分にして、あとの半分は雑多なりにそれをまとめてみたくて。新しいものを取り入れてブラッシュ・アップするよりも、いままでやってきたことをブラッシュ・アップさせようと思いました。

-今回のタイミングでなぜそうしようと?

68:メンバー内の好きな音楽やエッセンスが出揃ったことが大きいですね。料理人で例えるなら、調味料が全部揃った感じがして。いままでの活動はいろんな経験をして、集める作業が多かったんですよ。今回のタイミングはキャパも満杯になったし、それをフルで使ってみようと思って。

-自分たちが持てる力をここで発揮してみようと?

68:メンバー間で具体的にそういう話をしたわけじゃないけど、そういう感覚はあったんじゃないかな。アルバムの作業に入るときに、マネージャーも含めて総動員で"何かネタない?"って話しながら進めていくんですよ。今回はみんなたくさんネタを持っていたから、それで勝負した方がいいなと。ただ、これまで以上にほかのアーティストのアルバムを聴きまくってたんですよ。だけど、聴けば聴くほど、自分たちの音を出そうという気持ちが強くなりました。

-それは自分たちの方がもっと面白いもの作れるじゃん、みたいな感覚ですか?

68:うん、自信があったかもしれない。

-毎回音源を作るたびにメンバー間でネタを集めるそうですけど、今回はどんなネタが出てきたんですか?

68:まずLINEでYouTubeの映像を張り合って、お互いに観るところから始まるんですよ。彼(GEORGE)からSKIP&DIEを教えてもらったり、あとはC2CというDJグループだったり......。

GEORGE:俺もあまり覚えてないんですけど(笑)、挙げるアーティストの傾向は毎回そんなにハズれたところからは持って来なくて。自然に自分が聴いていたものから出す感じですね。

68:やっぱりヒップホップが多いですね。

GEORGE:ロックと比べて、ヒップホップは出してる音以外の要素も大きくないですか?その人のバックボーンや街とか、全面に出してくるじゃないですか。だから、昔から好きなんですよね。アメリカやイギリスのラッパーは今でも追いかけてますね。

-そこから刺激を受けることが多い?

GEORGE:そうですね。作品ごとに手法もガラッと変えたりするし、それも面白くて。昔はヒップホップも東と西で分かれてて、どっちが好きみたいなものがあったけど。今はそういう境目もなくなって、その分、みんな個性を出すことに一生懸命になってるんですよ。ほかの畑とコラボする人も多いし、括りがなくなってきたのも面白くて。

68:ジャンルとして影響がでかかったのは、トラップ・ミュージックですね。ダブステップとはまた違って、808を使ったようなヒップホップ......最近で言うと、ASAP Rocky、Kendrick Lamarばかり聴いてました。ヒップホップ以外だと、BASTILLEいう人がいて、結構かっこいいんですよ。COLDPLAYを速くしたようなメロディアスな音楽で。日本人だと、PASCALSとか知ってます?たまの石川浩司さんがやってるバンドなんですけど、それも聴いてました。