Japanese
2014年02月号掲載
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ドラムレスの3人組が満を持して作り上げた3rdアルバム。前シングルに引き続き、セルフ・プロデュースを行ったことで、バンドのやりたいことが明確に形にできたのだろう。ロックの衝動性、ダンス・ミュージックの躍動感、エレクトロのキラキラ感、異国情緒漂うメロディ、人を食ったような歌詞などを総動員して、彼らにしか鳴らせない音を確立させている。しかもどの曲も口ずさめるメロやキャッチーなフックが仕掛けられているので、散漫な印象も与えない。それも作り手が心から音楽と戯れ、面白がっているからできることだ。様々なジャンルが横溢しているようで、無駄を削いだシンプルなフレーズの数々もポップ度に拍車をかけている。ジャンルの垣根やシーンの壁が少なくなりつつある今、有効に響く音源だと思う。(荒金 良介)