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INTERVIEW

Japanese

PHONO TONES

2013年08月号掲載

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Member:伊地 知潔 (Dr) 宮下 広輔 (Pedal Steel)

Interviewer:石角 友香


-ペダル・スティール、キーボード、ベース、ドラムっていう編成にはこだわりがあったんですか?

伊地知&宮下:……。

-こだわりも何もこの4人が集まったからこうなった?

伊地知:集まったらこうなった……ホントそうですね(笑)。

-今回の2ndアルバムの曲は特にそうだと思うんですけど、宮下さんのペダル・スティールは時にはカオティックな印象すらあって。

宮下:どんなジャンルで弾いてても、どう鳴ってても好きだし、いい音だし、誰が弾いててもかっこいいなというのが前提としてあって、ただ、割と誰が弾いても同じように聴こえる楽器でもあって。現代で言ったらRobert Randolphっていう黒人の人はエレキ・ギターみたいに弾いたり、Daniel Lanoisっていう指弾きで“完全にこの人が弾いてる”って分かるようなことをやってる人がいて、そういうのに興味を持ってそういう個性というか、違う使い方をしたいなっていうのは自分の考えのバランスの中にあります。で、あとは単純にバンドの中でいろんな人と混ざる時に自分の役割を果たす、それが偶然ペダル・スティールだった、っていうのがいいなと。

-魅力は揺らぎとかですか?

宮下:でもあるし、速弾きだったり、歪ませた音も好きで。でもカオスになってるところから音がちゃんと立ち上がってくる楽器でもあって、グシャーってなってるところからはっきりメロディがわかる、みたいな展開で弾くのがすごい好きですね。

-深いですね。今回、特に個性を感じた曲が「石川町ファイヤー」で。面白い曲ですよね。

伊地知:猪股っぽいですよね。

-ポスト・ロック的な感じからハードコアに展開しつつ、でも笑える、すごく男子な世界だなぁと。

伊地知:“男子な世界”、いい表現ですね。

-タイトルに石川町ってついてるぐらいなので、これは皆さんの地元感が出ていたりするんでしょうか?

伊地知:これはたまたまレコーディング中に“あぶない刑事”をみんなで見てたって話です(笑)。

-そっちでしたか(笑)。言わずもがななグルーヴがあるんでしょうね。

伊地知:うん。あんまり言葉で説明はしないですね。実際、音出して決めることが多いので。

宮下:もともとコンセプチュアルじゃないんで、アルバム・タイトルなんかを決めるときもなかなか決まらないんです(笑)。言葉でいろいろ考えてると全く思い浮かばなくて。4人共通の趣味があるわけでもないし。ただ唯一あるとしたら、例えば飲みに行く時のお店の好みみたいな(笑)、どういう空間が気持ちいいか?みたいな好みは特に説明しなくても4人とも共通なのかなと。で、そういうところから例えば猪股がその中からポイントを絞ってテーマを出した時に“あ、じゃあそれはおんなじ感じが見えるかな”、そういうグルーヴはあるかなと思います。

-あと、オカリナみたいなサウンドの楽器がフィーチャーされてる曲がいくつかあって新鮮でした。

宮下:“アンデス”っていう鍵盤ハーモニカなんです。

伊地知:アコースティック・ライヴをやる時に純くんが買ってきて、合わせてみたら“それいいじゃん”ってなって、レコーディングしてみたんですけど、ものすごくパンチがあるんですよ。ペダル・スティールと同じぐらいパンチがあって、かなり食っちゃうんです。

宮下:でも「Andes Suspense」とかは、他の曲よりもっとセッション的に作ってるんですけど、アンデス(の音)が強いんで自分は“ここまで入らなくていいな”と思って、色の調和だったりとか、入り方とかもそれまでの自分の引き出しになかったように弾けたんで、そういう意味ですごく面白かったですね。