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INTERVIEW

Japanese

indigo la End

2012年09月号掲載

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Member:川谷 絵音 (Vo/Gt)

Interviewer:伊藤 啓太


-じゃあ最後の展開は意図的に差し込んだんだ?

いや、これは家で作ったわけじゃなくて、ここまで作ったのが大体1時間半くらいだったんです。それでスタジオ3時間とってたから、この後の展開作ろうって適当に気持ちの悪いコード弾いてたら、"あ、これいいんじゃない?"ってなって、そのまま作っていきました。その後ベースを入れて固めていく作業で時間がかかった感じですね。

-この曲の詞の世界観って、個人的な解釈だけど前半は人間の外見の部分を映して、後半で内面的な部分を描写しているのかなと読んでいたんだけど、どういった物語が川谷君の中にあったのかな?

結局"楽園"って言葉はみんな聞いたことあるけど、実際楽園ってなくて。でも他の人は行けて自分だけ置いてけぼりにされているような感覚ってあるじゃないですか、人生でも。そういう気持ちがこもって作った曲ですね。

-「レナは朝を奪ったみたいだ」はライヴでも定番の曲で、前も少し話したと思うけどindigo la Endらしい曲だなって凄く自分は思っているんだよね。ギターがドライヴしてバーストする感じだったり、やっぱりそこに乗っかってくるメロディのポップさや、言葉遊びなんかも含めて。

最初全然違ったんですけど「秘密の金魚」みたいな曲をもうちょっとゴリ押した曲にしようかと思ってリフを考えていたんだけど、なんかダサいなと思って、適当に弾いてたら今のリフのリズムになって、そこから全部作っていって、歌詞は全部後で付けていったんですけど。

-歌詞も語感が面白い言葉が並んでいるよね、語感っていうのは意識しましたか?

意識しましたね、サビの部分とかは特に。こんな言葉普通言わないんですけど、このリズムにのって言うと普通に言っている言葉に聴こえるというか。歌詞がなくてサビのメロディ作っている時に、"じゃあ適当に歌ってみるから合わせてよ"って、歌った時にギターも同じメロディを弾いたんですよ偶然。シンクロしちゃって、あぁ"これだ"ってなって。

-次の「海辺カラス」は「渚にて幻」に繋げるための曲って思って良いのかな?

そうですね、そして「el.」と「雫」が繋がっているような感じです。

-やっぱりストーリーに関しては意識してた?

そうですね、こういう曲が入って「渚にて幻」が栄えるというか、「レナは朝を奪ったみたいだ」の後にすぐ「渚にて幻」がくるのは違うかなっていうのがあって。

-「渚にて幻」で苦労したのはやっぱりアレンジ?

アレンジですね。

-作品のアレンジは川谷君が大体固めて持っていくのかな?

いや、最初弾き語りで始めて、それに2人が何も言わずに合わせてくる感じですね。それで1回やって、途中で止めて次はこういう展開にしようって話します。考えていかないので僕、その場で思いついたことをします。[渚にて幻」のコーラスとかもその場でそうしようって話して作っていきましたし、ドラムは口ずさんで説明しましたね、この曲ドラムはめちゃくちゃ凝っているので。

-「el.」は"エル"と読んで良いのかな?

そうですね、元々は大文字の"L"なんですけど。端っこと端っこで、僕は言っている側を見えてはいないけど、例えばネットとか匿名の言葉だけは見えるみたいな関係性が凄く"L"だなって思って。最終的に曲名も"L"にしようと思ったんですけど、それすらも匿名にしてしまおうと思って。歌詞も含めて自分のパーソナルな感情が一番出ている曲です。

-そして「雫」に繋がっていくんだけど、この曲は震災の後の心が無防備になっている感じは出ているよね。

そうですね、音楽が危うかった時期でもあるし、自分に言い聞かせる意味で"歌うから"っていうことを言い聞かせながら書いてましたね。

-今までの楽曲の中で一番言葉がピュアだよね。

そのまま書いたって感じですね。

-今作の大きなテーマってなんでしたか?

"渚にて"っていうNevil Shuteっていう人が書いた小説があって、映画にもなったんですけど、だいぶ昔の。原子力によって人類が滅びてしまう、人類最後の日みたいな。最初は"渚にて"っていうタイトルが良いなって興味本位だったんですけど、結構内容が暗くて重くて、それに結構影響されてしまって全体的に暗めなイメージになったんですよね。このアー写撮ったとこも朝の海で結構怖かったんですよ、曇ってて日も差してないし、人もいないしみたいな。

-そういったイメージを抱きつつ1つの作品にまとめていったんだ?

大まかに言うと見えないものからこう、何されるってわけじゃないですけど、なんか怖いなって思ったところからそうなったんですけど――特にこれがテーマですみたいなものはなかったです。『さようなら、素晴らしい世界』を聴いてわからなかった人たちにもうちょっと自分たちに踏み込んできてほしいって意味も含んでいるアルバムではありますね。