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INTERVIEW

Japanese

GOING UNDER GROUND

2011年04月号掲載

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Member:松本素生(Vo&Gt) 中澤寛規(Gt&Vo)

Interviewer:伊藤 洋輔

再び心に沁み込むメロディが鳴り響く――GOING UNDER GROUNDが帰ってきた。メンバーの脱退やレーベル移籍、そしてバンド内の苦難を乗り越え辿り着いた“新生”としての境地が描く、なんら迷いのない、力強いアルバムを携え。インタビューはそのアルバムを中心に伺ったが、やはりこの今だからこその想いも問いかけた。戦後最悪の災禍となった東日本巨大地震は、あらゆる影響を及ぼし続けている。この状況下に想う音楽の在り方とはなんだろうか?彼らは、本気で音楽の力を信じている。その想いが、ひとりでも多くのリスナーに届くことを願っている。

-この状況だからこその想い、そして新作について伺いたいと思います。まず、震災の次の日の札幌公演は予定通り行ったそうですね。どうでしたか?

松本:まぁ、賛否両論はありましたね。でも俺たちとしては……札幌に行けた以上やるしかないだろうと、当然のことに思ってましたけど……リハ終わった後、メンバーとうちのスタッフと現地のスタッフと協議はしましたね。その時は「やっぱり無理かな」って気持ちが過ぎりましたけど、でもそこは……やりましたね。

中澤:通常とは違う形になったんですよ。アンプラグドもとった2部制にしてね。いろんな意見があってバンドとしても葛藤はあったりしたけど、でも「やります!」って決めて会場を開けたらやっぱりお客さんは来てくれたんですよ。ひとりひとりの想いはそれぞれだろうけど、Tシャツに首タオルでやる気マンマンの奴もいて(笑)。

松本:でも半信半疑だったと思うよ。「こんな時にライヴに来ている俺らってどうなの?」みたいな感情がね。でも俺は……うん、ミュージシャンとして当然のことをやったまでです!

-そもそもアンプラグドでやる予定はあったんですか?

松本:まったくなかったですね。

中澤:本番30分前くらいだよね?この形で行こうって決まったの。だからアンプラグドに関してはリハーサルなしでしたから(笑)。

松本:そう、リハなしでやったんだよね。

中澤:うん、どの曲やろうかって選んだくらいだよね。

-アンプラグドという形を取り入れたのは電気関係の影響ですか?

松本:いや、その時は電気関係の影響はなかったですね。ほくでんが東北の被災地に電気を供給しますよって話はあったけど、節電に関してもそこまで呼びかけてなかった。やっぱり札幌は本州と離れているということもあり、なんだろう……リアル感の薄さというか、温度差はどうしてもあるんですよ、地震のことに関して言うと。だから世論というものに敏感になる必要はそこまでないだろって意識もあったし……でもこんな時だしライヴなんかで電気使うなよ!っていう攻撃みたいな声も理解できるし……正解なんてないと思ってるから、だから自分がミュージシャンとしてやるべきことをやるっていう、あたりまえの決断だったんです。それに、これからたぶんすごく長くなる復興をしていくなかで……音楽は必要だと俺は思っているんです。

-うんうん。その想いが後押した結果だったと。

松本:ミュージシャンとして俺はライヴをやって当然だと思っているけど、やってよかったのか?という疑問はやっぱりあるんです。その答えはこれから時が経たないとわからないですね。

-わかりました。では4人組となった新生ゴーイングとしてのツアーの感触はいかがですか?新たな発見とかありましたか?

松本:発見というか、戻ってきた感じなんです(笑)。何が戻ってきたかはわからないんですけど、単純にバンドをやるということなんです。別に誰からも頼まれてない職業で、あ~でもないこ~でもないって4人が真剣にやるっていうことの感覚がここ数年はホントに薄かったんだなって思うくらい、戻ってきているんですよ。いや、戻ったと言い切れるくらいの感覚が俺らにはありますね。

-それって昨年にみられたメンバーそれぞれのソロ活動が影響しているんですか?

松本:う~ん、ソロは影響してるっちゃしてると思うけど、結局バンドに帰りたかったというか、元々自分がゴーイングはじめたのが15歳ですけど、「最高じゃん!」って言ってた感覚、単純にやって楽しいっていうもの、いい曲できたっていうモチベーションだけで走っていけるというものにバンドを戻したかったんですよね。それが 中々どうして戻んないなっていうのがあって、メンバーも辞めてバンドがぶっ壊れたりして……でも今はGOING UNDER GROUNDのアイデンティティというか本質は見つけられたような気がするから、ソロをやって良かったなと思いますね。