Japanese
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80'Sシンセ・ロックやシティ・ポップスの淡い郷愁感をまといつつも、タイトなバンド・サウンドですっきりと聴かせるアルバム。前作『稲川くん』は、メンバー脱退を経て4人で新たに走り出した作品であり、衝動的で、ふんだんに入ったシンガロングで士気を上げていく、もう一度音楽の楽しさやパワーを体で感じて、発する感覚があった。今作は、4人が今どんなふうに向き合って、どんなバンド・ライフを送っているかをさりげなく伝えている。久しぶりに会った友人の近況を聴くようだと言ったらいいだろうか。意外な面を見せれくれたり、お互い大人になったなと感心したり、でもやっぱり自分の知ってるあいつのままだなと思わず顔が綻んだり。辿った道は違うけれど、親しみ深い共有感がある。リスナーとさりげなく並走する音楽が詰まったアルバムだ。(吉羽 さおり)
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GOING UNDER GROUND (47)
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GOING UNDER GROUND
ひとりぼっちになる日のために
約1年3カ月ぶり、オリジナル・アルバムとしては記念すべき通算10枚目となる今作は、冒頭の2曲にクリープハイプなども手掛ける元SMILEの浅田信一をプロデューサーに迎えて制作。「Turquoise blue」でのダブステップ風の揺らぎからモータウン・サウンド調に変化するアレンジなどで楽曲にユニークな化学反応を起こしている。「ならば青春の光」、「カモメトゥモロー」では末光篤と共演し王道のGOING節を聴かせているのも最高だが、EDM全開の「僕たちのフィロソフィー」、アニソンやボカロ曲にもできそうな「哀愁のボーイ」など、近年の音楽シーンにもきっちりアプローチしているところが心憎い。ノスタルジックな名曲「my small town」を聴きながらアルバム・タイトル、ジャケットを見ているとグッとくる名盤。
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GOING UNDER GROUND
Roots & Routes
80'Sシンセ・ロックやシティ・ポップスの淡い郷愁感をまといつつも、タイトなバンド・サウンドですっきりと聴かせるアルバム。前作『稲川くん』は、メンバー脱退を経て4人で新たに走り出した作品であり、衝動的で、ふんだんに入ったシンガロングで士気を上げていく、もう一度音楽の楽しさやパワーを体で感じて、発する感覚があった。今作は、4人が今どんなふうに向き合って、どんなバンド・ライフを送っているかをさりげなく伝えている。久しぶりに会った友人の近況を聴くようだと言ったらいいだろうか。意外な面を見せれくれたり、お互い大人になったなと感心したり、でもやっぱり自分の知ってるあいつのままだなと思わず顔が綻んだり。辿った道は違うけれど、親しみ深い共有感がある。リスナーとさりげなく並走する音楽が詰まったアルバムだ。
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GOING UNDER GROUND
愛なんて
今年メジャー・デビュー10周年を迎えたGOING UNDER GROUNDのニュー・シングル。ピアノの綺麗なメロディが印象的な表題曲「愛なんて」は、優しく力強いメロディと歌声に、少し悲しくも前向きな歌詞がとても心に響くバラード。11月5日公開の映画『ハラがコレなんで』の書き下ろし主題歌ということで、映画を観てからこのシングルを聴くとより楽曲が深く感じられ、また違った印象を持つかもしれない。4曲目のエレクトリック・バージョンでは周りの音が削ぎ落とされ、より歌詞がダイレクトに伝わってくるので、ぜひこちらとも聴き比べて欲しい。軽快なポップ・ロック・ソング「Madonna」や、過去曲「東京」の再録バージョン「東京2011」も収録され、全編を通してとても聴きごたえのある1枚になっている。
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GOING UNDER GROUND
稲川くん
『稲川くん』と銘打たれた8thアルバム。いきなりのタイトルにつかみは完璧だ。実は今年で結成20年目を迎えるGOING UNDER GROUND。大御所と断言してしまえるほどのキャリアを積んでいるにも関わらず、松本素生(Vo&Gt)の描く世界はいつだって瑞々しく眩い希望に溢れている。昨年、育児に専念するためキーボードの伊藤洋一が脱退し、続いてレーベルの移籍を行った4人。本作からは、自身の活動環境の変動に左右されず、これまで以上に真っすぐに、芯が強く太くなっていることが分かるだろう。聴く者を後押してくれる爽やかなメロディと、切ない言葉の核にある力強さ。こちらがちょっと気恥ずかしくなってしまうような松本の言葉が、晴れ渡った青空へ響き渡る情景が目に浮かぶ。彼らの描く世界は、いつだって明るい未来へと繋がっているのだ。