Japanese
2016年10月号掲載
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前作『YOUNGSTER』に続き、GRAPEVINEやくるりを手掛けた根岸孝旨をサウンド・プロデューサーに迎えて制作を行ったミニ・アルバム。まず1曲目の「モラトリアム・ラヴ」から、飛び込んでくるアンサンブルの迫力が前作にも増して進化を遂げている。ダビングを極力減らしたという今回の音は、3つの楽器の音がソリッドにせめぎ合う、今のバンドのありのままを刻印する音になった。全体的に跳ねたビート感があって、性急に突き進むだけでないリズムが、メロディに陰影をつける。羽深創太(Vo/Gt)の描くナイーヴで、物語性に富んだ歌の世界と、でもまっすぐに心の有り様を伝えたいんだとシンプルに磨いた言葉が、生々しく放たれるサウンドでポンと前に押し出された。鮮やかで、パワーに溢れた作品だ。(吉羽 さおり)