Japanese
2015年12月号掲載
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ミニ・アルバムとしては3作目となるジョゼの『YOUNGSTER』にいるのは、まだ何者でもない少年。どうなりたいのか、どうしたいのか、あるいはどうしたらいいのかにやきもきしたり焦ったり傷ついたり。同時にその無色透明でいられる猶予みたいなものを楽しんで、"ふうん"とちょっと斜めに世の中を観察したりもしている。そこで感じたものが、音になって言葉になった。やさしいメロディに乗せて歌われる心の機微に、かつて抱えていた感情がうずいたり、今の気持ちとフィットする。いわゆる"ギター・ロック"の正統派たる、美しい佇まいだ。揺れる気持ちの繊細さや、物思いに耽る首の角度もなんとか音にしたいと思うような、細やかなアレンジやアンサンブルが、彼らのギター・ロックの姿勢/背骨をしっかりと支えているのが、肝。(吉羽 さおり)