Japanese
2016年01月号掲載
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湧き上がる感情や興奮がそのまま音楽になったようだ。無防備なくらいに純粋で飾り気がない、底知れぬパワーに満ちている。「海より」という曲はその最たる例で、4人が鳴らす大きな音を通じて佐藤リョウスケ(Vo/Gt)の見た景色や感情が鮮明に自分にトレースされていくような感覚もあった。2ndミニ・アルバム『世界は赤色』から配信含むシングル2作をリリースして届けられた1stアルバムは、音楽を楽しむというシンプルな感情が隅々まで鳴り響く快作だ。精力的なライヴ活動で個々の音の説得力が前作よりも段違いに増したことに加え、今作は浅田信一をプロデューサーに迎えているがゆえに録音状況や音作りも非常に良く、曲の威力がさらに増している。走る想いに突き動かされるように鳴る音と歌が眩しい。(沖 さやこ)
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Related DISC REVIEW
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2015年12月にリリースした1stフル・アルバム『存在証明』でタッグを組んだ浅田信一を再びプロデューサーに迎えて制作された6曲入りミニ・アルバム。佐藤リョウスケ(Vo/Gt)いわく、彼が作ったデモをもとにメンバー全員でオケを作り、そこに彼が歌詞とメロディを乗せるという制作方法を取るようになってから、バンドとしてしっくり回り始めたという。異なる愛を様々な視点から歌った6曲は、まるで6編の短編映画を見ているようだ。歌詞に描かれていることとサウンドの情景描写が密にリンクしているため、詞も音も鮮やかに飛び込んでくる。Track.4は鈴木陸生(Gt/Cho)が初めて作曲に参加。水中や青、影を想起させるサウンドスケープは赤色のグリッターにも新鮮だ。ひとつ大人の階段をのぼった青春物語を味わえる。(沖 さやこ)
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湧き上がる感情や興奮がそのまま音楽になったようだ。無防備なくらいに純粋で飾り気がない、底知れぬパワーに満ちている。「海より」という曲はその最たる例で、4人が鳴らす大きな音を通じて佐藤リョウスケ(Vo/Gt)の見た景色や感情が鮮明に自分にトレースされていくような感覚もあった。2ndミニ・アルバム『世界は赤色』から配信含むシングル2作をリリースして届けられた1stアルバムは、音楽を楽しむというシンプルな感情が隅々まで鳴り響く快作だ。精力的なライヴ活動で個々の音の説得力が前作よりも段違いに増したことに加え、今作は浅田信一をプロデューサーに迎えているがゆえに録音状況や音作りも非常に良く、曲の威力がさらに増している。走る想いに突き動かされるように鳴る音と歌が眩しい。(沖 さやこ)
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登下校の道、チャイムの音、冷たい廊下、友達の顔。何度も繰りかえされる"大人になってから"という未来に向けられたフレーズを聴きながら自分の学生時代が走馬灯のように頭の中を巡った。昨年高校を卒業したばかりという赤色のグリッターが歌うからこそ、こんなに滲んでいくのだろう。ファンの間ではすでに話題となっていたという「未来飛行機」が1stシングルとしてリリースされる。すぐにでも口ずさめてしまえるようなキャッチーでどっしりとしたメロディが学生生活を切り取った切ない歌詞を助長していて、1度聴いたら忘れられない楽曲に仕上がっている。一方、もうひとつの表題曲「1.2.3.」はガラリと曲調の違う、ダンス・チューン。"この世界は手のひらサイズさ"というこれからの赤色のグリッターにとって頼もしい歌詞が印象的だ。(齋藤 日穂)
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当時現役高校生にしてRO69 JACK 13/14のグランプリを獲得し、一気に知名度を上げた千葉県柏発、平均年齢19歳の赤色のグリッター。6月にリリースした初の全国流通盤『傘から見た景色』から約5ヶ月というインターバルでリリースされる2ndミニ・アルバムは、世界を赤色=自分たちで染めたいという強い意志が込められている。佐藤リョウスケの実体験やそのときに感じた混じり気のない気持ちが詰め込まれた歌と、演奏者の手元が見えるほどに生々しい音色が刻む6つのドラマ。佐藤は自分自身の抱いた感情を、我々に向かってひたすらまっすぐ、対話するように歌う。もちろんまだまだ粗削りではあるのだが、その切実さは青く、その熱情は赤い。この青と赤がこの先どうなるのか、注目したい。(沖 さやこ)