Japanese
2016年01月号掲載
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湧き上がる感情や興奮がそのまま音楽になったようだ。無防備なくらいに純粋で飾り気がない、底知れぬパワーに満ちている。「海より」という曲はその最たる例で、4人が鳴らす大きな音を通じて佐藤リョウスケ(Vo/Gt)の見た景色や感情が鮮明に自分にトレースされていくような感覚もあった。2ndミニ・アルバム『世界は赤色』から配信含むシングル2作をリリースして届けられた1stアルバムは、音楽を楽しむというシンプルな感情が隅々まで鳴り響く快作だ。精力的なライヴ活動で個々の音の説得力が前作よりも段違いに増したことに加え、今作は浅田信一をプロデューサーに迎えているがゆえに録音状況や音作りも非常に良く、曲の威力がさらに増している。走る想いに突き動かされるように鳴る音と歌が眩しい。(沖 さやこ)