フィルフリーク ツカダユウキの"サブカル部!"【第6回】
2024年01月号掲載
フィルフリークのベース、ツカダユウキです。
私のコラム「フィルフリーク ツカダユウキの"サブカル部!"」では、【サブカルチャー】をテーマに、映画や音楽、地域文化やネットミーム、実体験や社会学、(たまにアングラ)などについて語っていきます。
第6回目のテーマはこちら。
『インドの横にニューヨーク?』
"サブカル"と言ったら人それぞれ思い描く"景色"があると思う。
私は"日本のインド"こと高円寺の街並み......。
より先に出てくるのが隣駅にある「中野ブロードウェイ」である。
中学時代に「けいおん!」や「NARUTO」のフィギュアを買いによく足を運んだ青春の場所。
今はアメコミにハマり、主にMARVELのグッズを買いに行くことが多い。
埃っぽさとコーヒーの香りが入り混じる薄暗い廊下ですれ違う人たちは"自分の買い物"に集中していて他人に目もくれない。
最近では外国人観光客がスマホを片手にライブ配信をしながら練り歩いている。そして地下では主婦が八百屋や魚屋で買い物をしており、ベンチではお年寄りが休憩している。
文化と生活が混ざり合う独特なカオスが私にとっては絶妙に居心地が良く、いつ行ってもワクワクする。
高円寺に関する文章(第1回)でも書いた「互いに適度な距離を置く"無関心のスキル"」がここ中野ブロードウェイに来る人々にも備わっているように思える。
自分の好きなことに集中して、無理に共有しない。そして他人の好きなことを色眼鏡をかけて見ることもしない。
一人一人が"自分の楽しみ方"をして完結する。
ブロードウェイには"まんだらけ"が沢山店舗を構えている。
店舗ごとに漫画、原画、コスプレグッズ、レトロなど専門分野があり、
特に3Fの"本店"と4Fの"変や"は店構えから強烈で、中はマニアックな物で溢れており、異次元空間が広がっている。
たとえ並んであるグッズたちの知識がなくても、作られた年代や金額に驚いたり、造形に感動したり、(色んな意味で)誰が買うんだ?と思ってみたりと、楽しめることだろう。
フィギュアや原画などに目を奪われながら歩いていると、高級時計・古銭・オーディオ・アンティーク・ミリタリーの専門店や昭和を感じさせる喫茶店や理髪室が突如として現れる。
目的なく歩くだけでも様々なサブカルが楽しめる。
中野ブロードウェイは「オタクの聖地」として秋葉原と名前が並ぶことがある。
大きなビルや看板が立ち並び、広い道路を多くの人と車が行き来する秋葉原と比べると地味に感じるかもしれない。
しかし、天井が低く狭い室内に隙間なく"マニアック"が詰め込まれている姿は何処となくアンダーグラウンドな匂いがして独特な空気感を醸し出している。
渋谷や下北沢などが駅前開発で新しく綺麗な建物が増えて数年で姿が変わってしまうことに私は少し寂しさを覚えてしまう。
中野ブロードウェイは変わらず"このまま"でいて欲しいと私は願う。
フィルフリーク
2014年に結成。"あなたの日常を少しドラマチックに。"をコンセプトに活動する、広瀬とうき(Vo/Gt)、ゆっこ(Key/Vo)、ツカダユウキ(Ba)、小竹 巧(Gt)からなる男女混声ロック・バンド。広瀬とゆっこの男女ツイン・ヴォーカルが映えるポップな楽曲たちを、人の感性に触れるバンド・サウンドで支え、自分たちの等身大を表現する。2019年に"ROAD TO EX 2019"で優勝し、翌年に初の全国流通盤ミニ・アルバムを発売。2023年4月に設立された"Renegades' Music,Inc."よりデジタル・シングル「アナザーストーリー」を8月にリリース。現在、"フィルフリーク LIVE TOUR 『0024』"を開催している。
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