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COLUMN

フィルフリーク ツカダユウキの"サブカル部!"【第10回】

2024年09月号掲載

フィルフリーク ツカダユウキの"サブカル部!"【第10回】

フィルフリークのベース、ツカダユウキです。

私のコラム「フィルフリーク ツカダユウキの"サブカル部!"」では、【サブカルチャー】をテーマに、映画や音楽、地域文化やネットミーム、実体験や社会学、(たまにアングラ)などについて語っていきます。

第10回目のテーマはこちら。
『俺ちゃん、遂に参戦』

7/24革命が起きた。
MCUにデッドプールが遂に参戦した!何のことだかさっぱりの人へ。
MCU(Marvel Cinematic Universe)とはアメリカのコミック会社"MARVEL"が出版するコミックスをベースに作られた"一つの世界観"を共有する映画作品群のこと、またはその世界観・世界線そのものを言う。
例えば、アイアンマンやハルクがそこに所属している。
中にはMARVELのコミックスがベースとなっていても、様々な事情により同じ世界線に存在することができないキャラクターもいる。
例えばスパイダーマンは人気キャラクターにも関わらず、"大人の事情"により途中参戦となった。そんな"事情"によりかねてから期待されてはいたが参戦できていなかった人気キャラクターが「デッドプール」である。事情の中にはキャラクターの人間性も関係していた。

MCUは現在Disneyの傘下にある。
Disneyは基本的に全年齢対象であり、薬物や性的表現、グロ表現はNG。
しかし、デッドプールはその全てがアウトとなるようなキャラクターであり作風であった。
そのため今回の一件には「やったー!」というより「Disneyありがとう!」という気持ちが大きかった。そんなデッドプールがこれまた長年参戦が期待されていたウルヴァリン(こいつはこいつで色々とややこしい。)と共に暴れ回る話題作、「デッドプール&ウルヴァリン」を公開2日後に立川で、7日後には渋谷で観てきた。(このコラムが載る頃にはさらに回数が増えている事だろう。)
率直な感想は「(いい意味で)詰め込み過ぎ!」。
「映画好きが喜ぶ映画」というのはたくさんあるが、今作は特に"第四の壁"を超えたサービスが豊富で、他映画をいじったり、観客の思考を読むかのようなシーンが盛りだくさんだった。
"第四の壁"とは「映画世界と現実世界の間にある壁」のこと。
映画世界の人間(登場人物)にとっては映画の中の世界だけが現実で、こちら側(現実世界)を認知することができない、というのが普通の映画。
しかし、デッドプールはシリアスな戦闘中も第四の壁を越えて観客の我々に「こういう展開待ってたでしょ?」と話しかけて来ては豪快に期待を上回ってくる。また、主演のライアン・レイノルズとヒュー・ジャックマンのプライベートでのキャラクターや関係値が滲み出ていて、2人のSNSをチェックしてから観るとより楽しめるだろう。ストーリー、配役、劇中歌、ファンサービス、全てが盛りだくさんで1回観ただけではその全てを味わうことができなかった。
字幕版しか観れていないので吹き替え版も観たいと思っている。
例えば、デッドプールのおちゃらけた時の一人称である「俺ちゃん」は加瀬康之さんの声とも相性抜群で最高の訳だと思う。
吹き替え版ならではの魅力もあることだろう。
次はどこの映画館で観ようか。

フィルフリーク

2014年に結成。"あなたの日常を少しドラマチックに。"をコンセプトに活動する、広瀬とうき(Vo/Gt)、ゆっこ(Key/Vo)、ツカダユウキ(Ba)、小竹 巧(Gt)からなる男女混声ロック・バンド。広瀬とゆっこの男女ツイン・ヴォーカルが映えるポップな楽曲たちを、人の感性に触れるバンド・サウンドで支え、自分たちの等身大を表現する。2019年に"ROAD TO EX 2019"で優勝し、翌年に初の全国流通盤ミニ・アルバムを発売。2024年1月に恵比寿LIQUID ROOMにてワンマン・ライヴを開催した。6月にはデジタル・シングル「ほんね、」をリマスターで再リリース。9月21日には原宿RUIDOでワンコイン・ワンマン"Renewal 00's"を行う。