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DISC REVIEW

J

Justin Kline

Justin Kline

Justin Kline

米SSWポップ界期待のホープ、Justin Klineのデビュー・アルバム。まるでオープニング・セレモニーのようなキラキラのポップ・ナンバーで幕を開けると、ページをめくる度に驚かされる飛び出す絵本のごとく、始まりから終わりまでハラハラドキドキさせられっぱなし。まさに、夢と希望を詰め込んだアミューズメント・パークに来たような、弾け飛んだポップ・ワールドが詰まっている。でありながら、その甘い声とおとぎ話のようなメロディで、しっかりロマンチックな気分にもしてくれる。そして、輝きの中に時折垣間見える多幸感と愛は、キッチュなMIKAを連想させる。MIKAの愛は世界を染め上げるように壮大であるならば、彼は、この手に溢れんばかりの幸せで私たちの顔をほころばせてくれる。

OUR GREAT ESCAPE

Juvenile Juvenile

OUR GREAT ESCAPE

男女混合4人組バンド、Juvenile juvenileのデビュー・マキシ・シングル『Don't tell your friends EP』以来2年ぶりの作品となる初めてのフル・アルバム。日本人バンドでありながら一切それらしき感じを受けないのはロック、ポップスに於いての洋楽コンプレックスがまったくない世代だからだろうか。「Just like you do」で聴けるような感情を表に出さずに淡々と囁くヴォーカルと、蝶が舞うがごとく永遠に鳴り続けているようなギターのアルペジオ、モコモコした羊毛のようなリズム隊、そして遠くで手招きするように流れるシンセの音から成る楽曲は中毒高し。逆輸入インディー・ポップといった印象だが、今後同世代の日本のロック・バンドとどのように絡んでいくのか気になる存在だ。

Don’t tell your friends EP

Juvenile Juvenile

Don’t tell your friends EP

昨年4月に結成されたばかりホカホカの新人バンド。NOUKES!に続き大阪のFLAKE RECORDSが送り出す4人がJuvenile Juvenileだ。まるでFELTや最近でいうとCRAFT SPELLSやTHE PAINS OF BEING PURE AT HEARTにも似た淡くそしてエバー・グリーンなサウンドは日本の新人バンドとは思えないほどの完成度。実際海外のレーベルからのオファーも多いようだ。 きらきら揺らめくギターと囁くようなヴォーカル。美しくメランコリックなメロディ。Turntable FilmsをUSインディーと捉えるなら彼ら80’sのUKギター・ポップを吸い込んだバンドと言えるだろうし、お互い近年のインディー・ポップと共振する素 晴らしいサウンドを作り上げている。

Juveniles

JUVENILES

Juveniles

フランスはブルターニュ地域圏の首府レンヌ出身のデュオ、JUVENILES。彼らのデビュー・アルバムとなる今作は、同じくフランスよりエレクトロ・ミュージックの新鋭YUKSEKが一部プロデュースを手掛けており、お互いのポップ・センスが魅力的な化学反応を起こしている。そこにエレガントなヴォーカルが甘く溶け合うことで、程良い上質さを匂わせる仕上がりに。この作品から感じ取る高揚感や憂鬱感は、まさに思春期から成年の間をさまよう“Juveniles=青少年”のようである。子供のような無邪気さと、大人びた顔色を唐突にのぞかせ、聴き手はエキセントリックな世界観に惹きこまれていく。体の力が抜けるような浮遊感に満ちたこの作品は、眠れぬ夜に特におすすめしたい1枚だ。

しあわせになるから、なろうよ

JYOCHO

しあわせになるから、なろうよ

JYOCHOの3年ぶりとなるアルバムが到着した。アニメのエンディング・テーマとなった「みんなおなじ」やCMに起用された「光あつめておいでよ」を含む全8曲を収録。テクニカルで綿密に構築された演奏は、音数が多く変拍子も巧みに取り入れられ複雑に入り組んでいるが、爽やかに吹き抜ける風のように軽やかで、難解さを感じさせないほどに心地よい。そんな広大な自然を彷彿させるスケールの大きいサウンドに乗せた哲学的な歌詞が、命や人生について考えさせる。直接的な表現が増え、"叶わない夢がある"などところどころで放たれるストレートな言葉にドキッとするが、きっと彼らは現実を見つめたうえで、それらを乗り越えた先にある"しあわせ"を目指し、リスナーを導いていくのだろう。"しあわせになるから、なろうよ"と。