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Overseas
EELSが3部作以来、2年半ぶりの新作をリリース。先行公開されている「Peach Blossom」のようにどでかいドラム&ベースからスウィートなメロディに展開するような鮮烈なナンバーは全体の3割ほどで、他はEならではの内省的で美しいメロディが、ローファイなフィルターを通したグッド・アメリカン・ロックやブルースと融合する、聴くほどに味わい深い楽曲が大半を占める。もちろん、前作『Tomorrow Morning』でも聴けたエレクトロニックなエッセンスもより大胆に導入。今回はE以外のメンバーも曲作りに参加していることも手伝ってか、そうした組み合わせの妙も有機的かつダイナミック。心にしみる哀感と未知の音像がナチュラルに同居するなんてEELS以外、成し得ないだろう。
昨年アルバムをリリースしたばかりなのに、早速フル・アルバムが到着。前作がガレージ・ブルース・ロックとでも言うべき力強さが前面に出ていた反動なのか、今回は穏やかなアコースティック・ナンバーがほとんど。特徴的なのは、ほとんどがドラムレスで、ギター、ベースとうっすらとのるキーボードという編成での楽曲であること。「Gone Man」ではカホン(ペルー発祥の打楽器( 体鳴楽器) の一種)を使っているが、「Paradaise Blues」までドラムは出てこない。つまり、このアルバムはE の歌が剥き出しになったアルバムである。タイトルが『End Times』と冠された意味はまだ分からないが、しゃがれたEの声はいつも以上に生々しく、そして力強い。いくつもの悲しみをポジティヴな歌に変えてきたEという生身の人間の姿がそこにある。
BECKとともに、ローファイ・ロックを代表するバンドの一つであるEELS。いつの頃からか、僕はEELSという名前に無条件に反応してしまうようになったのだが、4年ぶりの新作となる本アルバムで、リーダーであるEはとんでもない顎鬚をたくわえたブルース親父になって帰ってきた。ひねくれた味わいを持つローファイ・ロックから、ドリーミーなポップ、そして人間臭いローファイ・ブルースまで、Eの奇才っぷりが全開だ。叫んだり、求愛したり、泣きそうになったりするEの男臭くて切ない声。時に優しく、時に荒々しい音からは、哀愁と孤独が滲み出ている。EELSという不器用な性格のひねくれもの集団がまたも届けてくれた愛すべき音楽。どうやら、EELSという名前に無条件に反応する癖は、まだまだ治りそうもない。
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