Overseas
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BECKとともに、ローファイ・ロックを代表するバンドの一つであるEELS。いつの頃からか、僕はEELSという名前に無条件に反応してしまうようになったのだが、4年ぶりの新作となる本アルバムで、リーダーであるEはとんでもない顎鬚をたくわえたブルース親父になって帰ってきた。ひねくれた味わいを持つローファイ・ロックから、ドリーミーなポップ、そして人間臭いローファイ・ブルースまで、Eの奇才っぷりが全開だ。叫んだり、求愛したり、泣きそうになったりするEの男臭くて切ない声。時に優しく、時に荒々しい音からは、哀愁と孤独が滲み出ている。EELSという不器用な性格のひねくれもの集団がまたも届けてくれた愛すべき音楽。どうやら、EELSという名前に無条件に反応する癖は、まだまだ治りそうもない。(佐々木 健治)
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Skream! 2024年09月号