関連アーティスト
popoqRelated NEWS
popoq (16)
MUSIC VIDEO
Related DISC REVIEW
-
popoq初のフル・アルバムは"00"(読み:リンリン)と名付けられた。コロナ禍によって気持ちや活動の面でもゼロになる、リセットさせることが繰り返されたこと、また強制的に止められた時間の中で、彼らが10代の多感な時期を過ごした00年代へのノスタルジーが湧き上がったこと。制作期間での体験や目まぐるしい情報の変化とディレイ状態の日常とが生む混沌のエネルギーが、曲作りや新たなアイディア、歌を研ぎ澄ませていくことに向けられた。シューゲイザーやポスト・パンク、エレクトロなどに根ざしたpopoqサウンド、そして上條 渉(Vo/Gt)のエアリーなハイトーンで描かれる繊細でドリーミーなメロディは、輝きを増して、心を研ぎほぐすような温もりと美しさを放つ。シビアな現実を、ファンタジックに灯すようなアルバムだ。(吉羽 さおり)
-
疾走感のある硬質のギター・サウンドと、プリズムが柔らかに跳ねるような上條 渉のヴォーカルとのコントラストが、清らかで美しい「holy」で始まる2ndミニ・アルバム。結晶化させる、具体化するというタイトルが示すように、今作は頭の中や心の内でおぼろげながらも確かに存在する音のきらめき、プリミティヴな叫びなど、形なきものたちを丁寧に拾い上げてコードやリズム、旋律に映した作品だ。前ミニ・アルバム『Essence』からさらに踏み込んで曲のあるべき形が追求されている。バンド・サウンドとのバランスを計ることなく、必要ならばエレクトロ要素も強めながら曲の持つ情景や温度が描かれたゆえ、リスナーは素直にこの音楽に飛び込んで五感を開放すればいい。甘美な時間をくれる作品だ。(吉羽 さおり)
-
フロントマン 上條 渉(Vo/Gt)の、憂いの陰影を持ったハイトーンで歌う浮遊感のあるメロディと、シューゲイザーやポスト・ロック、ポスト・パンクや、インダストリアル的な匂いまで、様々な音楽の片鱗を感じるサウンドが描くのは、夢うつつで、感情の波に揺られ、リアルさとシュールさが溶け合う世界に漂流してしまったような感覚だ。轟音が鳴っている間、メロディに包まれている間は、その不可思議な幻影に浸り、時間を奪われてしまう音楽となった。初の全国流通盤となる今作は、結成初期から大事にその世界観を育て色づけてきた「flower」のほか、これからの代表曲となっていきそうな最新曲「solaris」や「essence」など全6曲を収録している。これまでとこれからを繋ぐ1枚。 (吉羽 さおり)