Japanese
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popoq初のフル・アルバムは"00"(読み:リンリン)と名付けられた。コロナ禍によって気持ちや活動の面でもゼロになる、リセットさせることが繰り返されたこと、また強制的に止められた時間の中で、彼らが10代の多感な時期を過ごした00年代へのノスタルジーが湧き上がったこと。制作期間での体験や目まぐるしい情報の変化とディレイ状態の日常とが生む混沌のエネルギーが、曲作りや新たなアイディア、歌を研ぎ澄ませていくことに向けられた。シューゲイザーやポスト・パンク、エレクトロなどに根ざしたpopoqサウンド、そして上條 渉(Vo/Gt)のエアリーなハイトーンで描かれる繊細でドリーミーなメロディは、輝きを増して、心を研ぎほぐすような温もりと美しさを放つ。シビアな現実を、ファンタジックに灯すようなアルバムだ。(吉羽 さおり)