跳ねたビートとノイジーなギターで怒涛の如くスタートする「Ripple」から、ノン・ストップで駆け抜ける4曲入りEP。4人のスピード感をエネルギッシュに捕えたアンサンブルは、まさにライヴに向いたものだけれど、一方コンセプチュアルに歌詞を作り上げたり試みも多い1枚だ。移籍後のアルバム『GO WITH ME』や『Ironic』で、SHIT HAPPENINGとは何ぞやという形を再構築していく中で、今大事にしたいことを丁寧に音にしている。前作から3ヶ月という短いスパンでのリリースながら、それぞれの曲の色はより明解に、キャッチーでいて、しっかり心に刺さるものへとシャープに磨きがかっていて、バンドがタフに成長しているのがよくわかる。「透明人間」のようなユーモアのある曲は、彼らの1つの強みとしてこれからもっと聴いてみたい。
昨年レーベルを移籍してミニ・アルバム『GO WITH ME』をリリース、バンドの新たな始まりをサウンドに託したSHIT HAPPENING。新天地での2作目のミニ・アルバムは、加速感や突破するエネルギーをその音に封じ込めている。キャッチーで、シンガロングできるメロディ、高揚感のあるギター・サウンド、力強いビートといった側面をクローズ・アップした。これからのフェスや、イベントなどでのステージでも映えるような、即効性の高いアグレッシヴさと、それでいてフレンドリーで、口ずさめるような歌が肝。どこからともなく沸々とわいてくる不安や焦りや、日々感じるどうしようもない思いをぎゅっと丸めて、蹴り飛ばす勢い。うつむく自分を笑い飛ばしてやる潔さ。そういう気概みたいなものが込められたアルバムだ。