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対世間だけなら、怒りのベクトルも外を向くだろうが、人間の矛盾や虚しさに誠実に対峙した音楽を聴くと、ジャンルを越えてあらゆる人に刺さる表現が立ち上がる。活動約16年にしてついにセルフ・タイトルの3rdアルバムとなった本作。ドラムのフルカワリュウイチが正式メンバーとしてレコーディングに参加したことで、3ピースの骨格は安定し、且つ3リズム以外にパーカッションやシンセ、シンセ・ストリングスなどを導入しても揺らがないトライアングルが組み上がった印象だ。「暴発」でサイレンのように聴こえるギターや、助けを求める"メーデー"のリフレインは苦しくもリアルだし、いわゆる誹謗中傷や冷笑系に対する徹底した断罪を歌う「逆エヴォリューション」の、震えるような怒りなど、目を背けられない全10曲。(石角 友香)
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1stアルバム以来3年ぶり、ドラマーの脱退を経て完成した2ndアルバムは、前作のアンサーともいえる強烈なタイトルがつけられている。内省的な人間が外向きの言葉を発しているというポジティヴな意味合いをタイトルに持たせているという今作は、"叫んでいた胸の奥では 助けてくれ愛してくれと"(「敗北」)、"本当はずっと愛されたくて存在理由が欲しかっただけ"(「接触」)など、たしかに何かを求めて外に手を伸ばしもがいている印象を受ける。それゆえに、もがき苦しんだ末に光明に行き着いたかのようなラスト「フロンティア」(名曲!)は感動的で、アルバムを聴き終わったあとの余韻は意外なほどに清々しい。(岡本 貴之)
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自分のくだらなさを知ることは大事なことだ。俺は自分を特別だなんて思わない。ただ、自分の人生をかけがえのないものだとは思っている。でも、それは君には関係のないことだ。だから"生きろ"なんて言うな。"頑張れ"なんて言うな。勝手にやるから。君も勝手にしろよ。I need to be myself. 俺は俺でしかあれないし、君は君でしかあれないのだから。――strange world's endの音楽には、そんな他者への期待を捨て、等身大の自分を見つめ続けた果てにある"個"の強さがある。グランジ直系のギター・サウンドは感情を抉り出すような生々しさに満ち、言葉はどこまでも辛らつ。憎しみと哀しみと自己嫌悪が渦巻いている。だが、この1stアルバムは最後、どこまでもピュアな祈りに行き着く。汚れた瞳にしか見れない景色もあるのだ。(天野 史彬)
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