昨年、数々の大規模フェスティバルに出演した3ピース・ロック・バンド、The Flickersが新レーベルからリリースするメジャー第1弾EP。シンセ・オリエンテッドなサウンドとダンサブルなビートという形で、巧みに時代の音を切り取りながら、それぞれに違う魅力を持った4曲がバンドの可能性をアピール。さらなる飛躍を目指す彼らにふさわしいロック・アンセムの「midnight express」からは追い風を感じているに違いないバンドの意気込みがうかがえる。その他、アンビエントなサウンドスケープを描き出す「drive me lunatic」、ニュー・ウェイヴ・ディスコな「in my headroom」、トーキング調のヴォーカルがおもしろいエネルギッシュなロック・ナンバーの「detonation」が収められ、EPとは思えない聴きごたえに。
約7ヶ月ぶりとなるThe Flickersの新作EPは、前作『WAVEMENT』に引き続きプロデューサーに三浦カオルを迎え、よりロックとダンス・ミュージックがスパークした刺激的な作品に仕上がっている。それぞれ異なるアプローチが込められた楽曲は、ロックンロール・リヴァイバルや初期ニュー・ウェーヴのエッセンスに安島裕輔(Vo/Gt)の独特のポップセンスが乗っかり聴き応え満点。クリーンかつポップなエレクトロ・サウンドが心地よく壮大なスケールを感じられる「永遠」から、ノイジーかつ妖しいギターの「go go monster」など、聴けば聴くほど深みにはまっていく色濃い楽曲ばかり。心躍ること請け合いの、至極のニュー・エレクトロ・ロックが詰まった作品だ。