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宇宙人 (35)
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まず、『じじい』というタイトルがおもしろい。"おじいちゃん"でも"おじいさん"でも"祖父"でもなく、『じじい』。この乱暴でいて親密な距離感こそ、宇宙人がこのニュー・シングルの"物語"に対してとっている距離感である。「じじい-導かれし宇宙(コスモ)-」、「じじい-おわりのはじまり-」、「じじい-そして伝説へ-」という3曲によって、祖父を失った哀しみと、そこから祖父と天国で一時的再会を果たし、哀しみから脱却していくまでの物語を綴った生と死を巡る一大絵巻。異形のニュー・ウェイヴ・ポップも壮大なバラードもミュージカル・ポップも取り入れながら紡がれるこの物語は、宇宙人というバンドの、ひいては、しのさきあさこという個人の想いやパーソナリティが滲むのをギリギリで回避している分、感情が純化されて伝わってくる。突き抜けた新機軸だ。(天野 史彬)
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アニメ『惡の華』の主題歌を完全収録したコンセプトEP。宇宙人によるOP曲「惡の華」は、しのさきあさこ、後藤まりこ、の子(神聖かまってちゃん)、南波志帆をそれぞれヴォーカルにフィーチャーした全4種類が収録され、ED曲であるASA-CHANG & 巡礼の「花 -a last flower-」も収録。物語の不穏な空気感、歪さを表現するため、ロトスコープと呼ばれる実写を元にした映像作成も話題を呼んだアニメだけあって、音楽においてもアニメならではの世界観を生み出そうとしていることが、本作を聴けばよくわかる。出口の見えない陰鬱な青春が、それぞれの楽曲に見事に表現されている。その中でボーナス・トラックとして収録されたBase Ball Bearの「光蘇」は、暗闇の中、かすれた瞼に映る微かな光のようで、美しい。(天野 史彬)
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宇宙人の初となるシングルは、押見修造原作のアニメ『惡の華』のOP曲。実際のOPは、それぞれしのさきあきこ(宇宙人)、の子(神聖かまってちゃん)、後藤まりこ、南波志帆がヴォーカルをとった4ヴァージョンが存在するが、本作では、その4曲を組曲として再構築し、全編しのさきがヴォーカルをとった新ヴァージョンが表題曲として収録されている。そもそも、アニメの世界観と、そのキャラクターに合わせた楽曲をそれぞれ違うヴォーカルで制作するという宇宙人のプロデュース能力には舌を巻くが、それを組み合わせた時、正統と異端を行き来する宇宙人ならではのポップ・センスが全開となった、非常に聴き応えのある組曲に仕上がっているところが面白い。このバンドの底知れないセンスのよさを感じさせる。(天野 史彬)
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高知から突如として現れた“謎”のバンド宇宙人の、デビュー2作目となるミニ・アルバム。今作がどんな作品かと一言で述べるとしたら“面白い作品”としか言えないんじゃないかと言えないくらいヴァラエティ豊かな楽曲が詰まっている。Track.1の「ものすごい関係」ではホーンも取り入れたグラマラスなロック・サウンドを展開し、Track.4の「楽日」はストレートなオルタナ・ポップな楽曲。かと思えばTrack.5の「ヤノコージ」では長尺のギター・ソロで聴かせ、プログレもあればポップもあって極めつけはTrack.7の「アウトレイジ」で聴かせる宇宙人流“祭り”サウンド。“なんのこっちゃい!”と感じた方、私も同じ気持ちですが最早“宇宙人”の中毒性の虜です。(伊藤 啓太)