Overseas
THE VASELINES -BRITISH ANTHEMS-
2009.12.06 @新木場STUDIO COAST
Writer 佐々木 健治
SUMMER SONICでの奇跡の来日に続いて、さっそく日本に戻ってきたTHE VASELINES。このグラスゴーの奇跡とも言えるバンドを2009年に2回も観られるなんて、誰が思うだろう。
登場したメンバーは、あいも変わらず飄々とした佇まいで、名曲の数々を忠実に再現していく。曲間で挟むMCも、完全にどうせ何を言ってるか分からないでしょ?という感じで、二人で喋っては笑いあっている(ところどころ、MCで呼びかけても反応の薄いフロアに苦笑しながら)。
序盤に「Son Of A Gun」「Molly's Lips」で勢いをつけ、その後も「Jesus Wants For A Sunbeam」「Teenage Superstars」「Sex Sux」といった魔法のような空気に満ちた名曲の数々で会場を包み込んでいく。
SUMMER SONICの時にも思ったけれど、もともとTHE VASELINESのライヴがこれだけいいとは正直思っていなかったのだが、もうそういうレベルではなく、ライヴで聴くと彼等の楽曲が持つ包容力が桁違いであることが分かる。何か特別なことをするわけではない。本当に飄々と忠実に演奏しているだけなのだが、気がついたらそのメロディの虜になっている自分がいる。
やはり、メロディの質がそもそも別次元なのだ。素晴らしい楽曲は、どれだけ広い場所であろうとその場を完全に掌握してしまう。それが音楽の持っている魔法で、THE VASELINESには確実にその魔法がある。この日、最もフロアが温かくキラキラと輝いて見えたのは、やはりTHE VASELINESのライヴだった。
気がついたら、ほとんど最前列に吸い寄せられていたし、アンコールの「You Think You Are Man」のかっこよさにSUMMER SONICに続いて感動してしまった。
ついでに、ふと横を見るとJohn’s Guellilaのレオが踊っていたのも微笑ましかったです。
ニュー・アルバムをレコーディングしているとMCで言っては新曲まで披露するというサプライズまで飛び出した、素晴らしい一日の締めくくりでした。
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