DISC REVIEW
Overseas
2014年10月号掲載
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THE VASELINES
V For Vaselines
NIRVANAのKurt Cobainも愛したグラスゴー出身の男女デュオ、THE VASELINES。90年代に1度解散した彼らの、2008年の再結成後2作目となるフル・アルバム。何故、Kurtはこのデュオを愛したのか? その答えは、ピュアで、繊細で、下手っぴで、でも強い音楽愛に満ちたそのギター・ポップ・サウンドにすべて表れている。VASELINESはロックの"純潔"の象徴だった。衝動的に掻き鳴らされるギター、ラフでパンキッシュなサウンド、可愛らしいメロディ、柔らかなふたりの歌声―― そのすべてが、"俺を見ろ!"とのたまう男根主義的ロック・スターとも、ハリボテの煌びやかさを売りにする商業主義ポップスとも一線を画すものだった。本作でも、そんな彼らの本質は少しも変わらない。HomecomingsやJuvenile Juvenileあたりが好きな人は絶対に出会っておくこと。
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