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2009.12.06 @新木場STUDIO COAST
Writer 佐々木 健治
ロンドンに住む物静かな少年達が世界を驚かせたデビュー・アルバム『I Had the Blues But I Shook Them Loose』は、10代の少年達によるデビュー・アルバムというイメージからはかけ離れた音が鳴っていた。
卓越したリズム隊、柔らかく漂うメロディ・ライン。様々な表情を見せながらも、美しく儚いギター。その心地よいレイドバック感は、既存のUKギター・ロックともUSインディとも一線を画していた。
焦燥感でも苛立ちでも成り上がり根性でもない。天から与えられた才能を見せ付けるという風でもなく「下手だろうが何だろうが、やるって言ったらやるんだよ。」的なパンク精神でもない。しっかりとした教養と音楽的バックボーンを持ち、シンプルかつ的確に自分達の音を表現した結果、彼等は全くオリジナルな音楽を作り出した。
若年寄とも言えるのかもしれないが、そう呼ぶにはフレッシュ過ぎるその音に驚かされた一人としてこの日のライヴを楽しみにしていたのだが、ライヴであの空気感を再現できていたのかと言われると、ある意味ではできていたし、ある意味では物足りなさも残ったというのが正直なところだ。
彼等は飄々した佇まいで『I Had the Blues But I Shook Them Loose』の音をステージ上で再現していたし、彼等独特の心地よい空気を感じ取ることはできた。印象的なリズムは気持ちよく身体を揺らしてくれたし、時にシャワーのように降り注ぐギターの音色も綺麗だった。しかし、それがライヴならではの高揚感に繋がっていったかというと、微妙なところなのだ。
会場全体身体を包み込むような温かいレイドバック感は心地よかったが、その温かさに特別な感覚を覚えることはなかった。「いい湯加減」止まりとでも言えばいいのだろうか。
初来日の新人バンドのライヴとして、いいライヴだったのは間違いないが、正直もっとやれるバンドだと思う。
ありそうでなかったオリジナルな音を鳴らしたアルバム同様、彼等にしか生み出せないオリジナルな空間をライヴでも生み出せるはずだ。まだまだこれから。彼等は、もっと違う特別な何かを見せてくれると信じている。
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