Overseas
2014年02月号掲載
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UKの天才バンドによる4枚目。デビュー時より何よりも特徴的であった、ヒップホップやR&Bからの影響を色濃く反映したビート感は、エレクトロニクスとバンド・サウンドの融合を見事に果たした前作『A Different Kind Of Fix』を経て、よりヴァリエーション豊かな表情を見せている。シンセやサンプリングを多用した上音も、時に静謐に、時にパワフルに、鮮やかな色彩を描く。とにかく細かな音作りをしているが、すべての音がナチュラルに、グラデーションを描くように重なり合っていく様は、耳にとって最高の快楽。肉体感と浮遊感を同時に鳴らすバランス感覚も絶妙。音の隙間から滴り落ちるメランコリーもたまらない。もう、すべてが圧倒的。THE HORRORSやFRIENDLY FIRESと並んで、今のUKになくてはならないバンドに成長したと思う。大傑作。(天野 史彬)
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