高校生でデビューを果たしたシンガー・ソングライター 琴音が活動5周年を機に、これまでの代表曲と新曲で構成したアルバムを完成させた。前半の新曲群にはダーク・ポップな新機軸「Heaven」やR&B調で多声感がモダンなアレンジの「多面体」、彼女自身の音楽への向き合い方が投影された、作品の軸になりそうな「image」等が並ぶ。既発曲では映画"金の国 水の国"劇中歌として広く知られるようになった「Brand New World」やデビューEP収録の「ここにいること」、ライヴでは稀に歌っていたものの長らく音源化されていなかった「成長記」の新録バージョン等全16曲を収録。まっすぐな歌声を軸に持ちつつ、多彩なジャンルや声の表現に挑む"Now&Best"。
この春高校を卒業したシンガー・ソングライター、琴音の1stアルバムには、既発のシングルを含む全12曲を収録。なんといってもその歌唱力は絶大で、シンプルなピアノ伴奏に乗せ歌い上げる表題曲や、手嶌 葵の名曲「明日への手紙」のカバーは鳥肌もの。それでいて、ご機嫌に身体を揺らしたくなるリズミカルなナンバーもあり、サックスの音色が印象的な「The moon is beautiful」では、グッとムーディな雰囲気を漂わせるなど、この3年間で広がった自身の音楽性を注ぎ込んだラインナップは、まさに高校時代の音楽活動の総括と呼ぶに相応しい。歌詞からは落ち着いた人物像を想像させる彼女だが、今作の多彩さには、その静けさの奥にある弾けんばかりの好奇心の気配を感じる。