テーマは"ミラクル"、"マジカル"、"ケミカル"の3ワードという、愛はズボーンの4thフル・アルバム。まさに、それらの感覚が全12曲を通して散りばめられた1枚になっている。赤ちゃんの泣き声や牛の鳴き声を交えながら"また1日が始まる"と切り出す「IN OUT YOU~Good Introduction~」から、言葉遊びと音遊びが炸裂。とはいえ、ぶっ飛んでいるだけではなく、"ヒーローは遅れて現れる/それが愛はズボーン式/スーパーエンターテイメント"という歌詞の通りのストレートな勢いを感じることもできる。ラップと歌を行き来する声に秘めたグッド・メロディと極彩色の音色が描く、混沌としたポップな世界観。皮肉も熱情も真実も溶かした心地いいミルクを飲めば、明日からも踊りながら生きていける。
誰にも似ていないサウンドと言葉選びの発明を続けてきた愛はズボーンが、結成10周年を前に2ndアルバムを発表。今作では作品タイトル通り、シーケンスを多用した"テクノ"+魂の叫びを歌う"ブルース"の彼らなりの融合に挑戦し、新たな愛はズらしさを手にしている。これは金城昌秀(Gt/Vo)が結成当初からしたかったことにバンドの地力が追いつき、さらにGIMA☆KENTA(Vo/Gt)が歌に自信を持てたこと、そして4人が同じ方向を向けたことにより成せた業だという。冒頭「ぼくらのために part 1」から全曲そんな威勢のいいニュー・マインドを堪能できるが、タフなバンド・サウンドが際立つ「ひっくりかえす」は従来からのファンも痺れると思う。10年の挑戦と試行錯誤の末に作り上げた自信作。