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Japanese
"音開き2022" 5月14日(土)福島 猪苗代野外音楽堂 OPEN 9:15 / START 10:00 出演者はこちら
アルバムのオープニングを飾る「higher」から、賑やかで煌びやかなホーンが鳴り響いて、ファンキーでダンサブルなサウンド&メロディが溢れ出すFBYの新作。ギタリストが脱退したバンドは、鍵盤とホーンを加えたギターレスの編成で、自身のルーツであるファンクや、メロウでソウルフルなポップ・サウンドを深化させた。ファンク・ミュージックというと、ギターやベースによるリフやフレーズがフックとなることも多いが、あえてまったく竿物を使わないのも面白いかもしれないという発想で、作り上げているのはバンドとしての柔軟性の高さだろう。洒落っ気たっぷりのポップ性やアレンジで、遊び心ある音楽を生んでいたFBY。ルーツに回帰しつつも、かしこまったり落ち着いたりすることなく、ストリート感たっぷりで尖っている。
常にセルフ・プロデュースで 作品を世に送り出してきたFBYが、完全に"プロデュースされる"企画盤『Backyard Sessions #002』。結成11年目にして未開の地へ踏み込んだ新たな作品が届いた。フルカワユタカ、イルリメ、KOICHI(Sawagi)ら6名のプロデューサーが手掛ける濃い色を宿した楽曲が、"FBY"という指標にフォーカスすることで、FBY然とした楽曲に仕上がっている。結局のところ、知らず知らずのうちにFBYは自らをプロデュースしているかもしれない。Track.1で心拍数が徐々にあがり、中盤で高揚する気持ちを隠しきれず、いつの間にかやってくるTrack.6では恍惚してしまうこと間違いなし。何度でもリピートしたくなる日常に溶け込む1枚だ。
今必要なのは生きていることを肯定してくれるこんな音楽なんじゃないだろうか。聴いていると散歩でも自転車でもいい。風に吹かれて見晴らしのいい場所に行きたくなってしまった。すでに2021年1~2月のホール・ツアーで初披露されて以来、人気の「世界は変わる」は替わりのいないあなたへ贈られる歌だ。人と出会うことで世界は変わるし、それを意識することで今の世界も変わる、そんな二重の意味を感じる。スライド・ギターとウクレレが張り詰めた心を緩め、再会を願う「Sunny Day」、MARTIN(Vo/Vn/A.Gt)の朴訥と誠実さが溢れる穏やかなカントリー調の「Life」、軽快なアコギのカッティングとヴァイオリンの誘うような旋律に思わず踊りだしたくなる「Peach Melba」など、インストも心身を解放してくれる。
表題の2曲に小品と言える「星空」、「水の中で泳ぐ太陽」、さらに「Darling」の"acoustic guitar mix"と「HEY!」のスタジオ・ライヴによる"acoustic ver."を加えた6曲を収録。"伝える"をテーマに作ったそうだ。リスナーに直接伝えることができない今、改めてその大切さについて考えたのだと思うが、テーマに対する様々なアプローチがメッセージ・ソング「HEY!」、ラヴ・ソング「Darling」に結実。共にバンド・サウンドながら、前者のカントリー・タッチ、後者のR&Bとサウンド面のアプローチも聴き逃せない。小品と表現した2曲の楽器の使い方や歌の生々しさが際立つ「Darling」の"acoustic guitar mix"からは、EPならではの遊び心も。その試みが今後どう生かされるか楽しみだ。
様々なアーティストを迎えて制作した2ndアルバムとは異なりサウンド・プロデューサーを統一したことや、「なまえ」、「結露」を弾き語りで収録していることも象徴的だが、全11曲はバリエーション豊かながらも、彼女のヴォーカルとギターを中心に据えたオーガニックなアレンジに。歌がまっすぐに入ってくるため、ライヴ活動によって鍛えられた表現力に魅せられる場面も多く、歌詞の内容もより深く刺さってくる。先発シングルの時点でかなり赤裸々だったため覚悟してはいたが、約2年ぶりにリリースされるフル・アルバムは、これまでで最も彼女自身の、そして聴き手自身の内面に迫るような作品。"愛してしまえば 裸になる"と彼女は歌うが、いや、裸にさせられたのはこっちの方である。
1年ぶりのリリースとなるシングルは、片平里菜が自分自身のこと、家族のこと、ルーツとなる"なまえ"について綴られた、とてもプライベートで、彼女の故郷の風景や記憶が描かれた曲である。それでも、この歌からは懐かしく甘酸っぱく、またセンチメンタルな、自分の記憶も引っ張りだされる曲となった。自身のアルバムをめくるような感覚だ。フォーク・ソング的な素朴さと、鼻歌のような軽やかさを持ったメロディと、控えめながら歌の景色をほんのり照らすアレンジが、心地よい。今回はトレードマークのアコギを封印し、鍵盤やストリングス、エレキ・ギターを中心にしたサウンドという、挑戦もある。これから自分が何を歌えばいいか。そんな問いの中で立ち上がってきた曲だけに、ここから生まれていく作品も楽しみになる。
ひとりになったときに、ぷつっと緊張の糸が途切れて、心の声がため息と一緒にこぼれてしまったような、囁くようなヴォーカルと爪弾くアコースティック・ギターで始まる「結露」。強がったり、斜に構えるばかりで、自分の本当の心の在り処すらも見失ってしまう、そんな本当の孤独に触れたときに上げる悲鳴が、ぽつりぽつりとした言葉と音になった曲だ。アコギ、あたたかみのあるオルガンの音色、ささやかだけれど確かなバンド・サウンドの鼓動感、そんな最小限のアンサンブルから成る曲は、華やかな派手さはないけれど、心に深く浸透してその余韻がいつまでもリフレインする。ときによっては鋭くえぐるように響き、あるときには涙を拭ってくれるあたたかさがある。淡々とした音と言葉とシンプルな歌の中から、じわりと様々な温度が立ち上ってくる滋味溢れる1曲だ。
アレンジャーに多彩なアーティストを迎え制作された2ndフル・アルバム。アルバムの幕を開けるのは、伊澤一葉による「この空を上手に飛ぶには」で、鍵盤とアコギを基調に、片平里菜の繊細にして力強い、物語を感じさせる歌声が、すっと空に昇っていくように響き渡って美しい。このしなやかなファンファーレから、アルバムが一気に広がっていく。SCANDALとのパンキッシュな「Party」、cinema staffとの「大人になれなくて」では、バンドのヴォーカリストとしてサウンドを背負い、ミト(クラムボン)との「Love Takes Time」ではニュー・ミュージック的なサウンドに凛とした歌声がはまる。どんなサウンドにもフィットしながら、聴くものをハッと振り向かせる歌声が胸に刺さる。それも気づけばかなり深く、その声が突き刺さっているのが片平里菜のすごさだ。
ファンク・サウンドにどっぷりと浸かり、快哉を叫ぶ。FBY流健康的な音楽のすすめ
バンドマンとしての本当のところを1st EPから教えてもらえたのはデカかった(小関)
"ファッション"は自分の心の根底にある主義主張を表す道具だから、気に入っているものを着るっていうのはすごく大事(TOSHI-LOW)
もう一度自信を持ちたいと思ったとき、愛を受けてきたという事実がすごく大事だった
表題曲だけど表題曲らしくない、汚れていない感じがいい
思いをピュアに形にするシンガー・ソングライター片平里菜、2ndアルバムが完成
片平里菜が1年がかりで制作に臨んだ2年1ヶ月ぶりのオリジナル・アルバム『一年中』をリリース
2016.03.21 @Zepp DiverCity
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