Japanese
おいしくるメロンパン
2024年05月号掲載
Member:ナカシマ(Vo/Gt) 峯岸 翔雪(Ba) 原 駿太郎(Dr)
Interviewer:石角 友香
『phenomenon』は今のよりプレーンなおいしくるメロンパンの衝動が音になっている
-次の「ドクダミ」は感触として新しい感じがしました。この曲こそ本当に君と僕の中で時間は並行していて交差しないみたいな。
ナカシマ:たしかに。
-ナカシマさんの中には脳内に絵があったりしましたか?
ナカシマ:ありますね。以前江古田に住んでたときに駅沿いにある道をよく歩いてたんですけど、そこにドクダミが生えてて、そのイメージは結構ありました。
-実際に見たってことですね。花のイメージからじゃなくて。
ナカシマ:実在してましたね。家の近くにも生えてますし、なんならアパートの下のところに生えてるんで日常的に目にする花ですね。強い花で、どんどん生えてくるんでめっちゃ生い茂ってるイメージ。
-ラストの「黄昏のレシピ」もアタックが強いヴァースが印象的です。
ナカシマ:リフがメインになってるので、アンサンブルみたいなのが結構印象的なところかなと思います。
-1曲の中に2曲ぐらい要素がありますね。
ナカシマ:あー、2番の展開とかはそうですね。1番はAメロ1周しかしてないけど2番はAメロ2周で作ってて、逆はあるけどそのパターンはあんまりないな、面白いなって思いながら作ってたんです。歌詞を入れていくときにこのメロディも結構変えるとかしたらもっと面白くなるのかなって思って、ラップっぽい感じにしてみました。
-こういう曲を作るときに、別にファンクをおいしくるメロンパンで消化しようという意識じゃないんですよね。
ナカシマ:じゃないですね。
-ラップ部分と演奏のバランスはどう考えました?
ナカシマ:もうちょっとフックがあったらいいかなって思ってこういう感じにしたんで、バランスを取ったと言えば取ったかもしれない。このイントロのリフからA、B、サビとポップめというか、J-POPみたいな感じになってたんで、2番はもうちょっとメロで遊んでみてもいいのかなって感じでしたね。
-峯岸さんと原さんはこれまでのミニ・アルバムと比べて今回の『eyes』から受ける印象はどうですか?
峯岸:バンド内部にいるので、地続きでいいのがまた出てきたなぁっていうシンプルな感覚ですね。もちろんアレンジで新しいことをやってみようとか、曲調でナカシマが今までになかったところを選びにいくとかもしてると思うんで、そういうところで新しい面はあるけど、"おいしくるメロンパン内"だなって感覚はすごいありますね。
原:『cubism』、『answer』でやってなかった感じのところに行ってみようみたいなのはなんとなく感じてて。地続きなのもあるんで似ているところもあるけど、またここで別の雰囲気のものができたなという感覚です。
-歌詞で描かれていることに対する変化は感じますか?
原:『eyes』で変わったなって感じはしないかもしれないですね。ここ最近の作品、『answer』とかでなんとなくこういうことかな? みたいなのは考えやすくなったと感じていて。抽象的だったのがちょっと具体的に寄った感じですね。今回で歌詞がめっちゃ変わったとは感じてないかもしれないです。
-そして8.5thミニ・アルバムの『phenomenon』はどういう立ち位置なんですか?
峯岸:もう1枚。"もう1枚できたよ!"。
-(笑)『eyes』と同じ時期にできた5曲?
ナカシマ:そうですね。結構バラバラにって感じですね。
-"phenomenon"って事象という意味じゃないですか。そういう意味では正式な9枚目のミニ・アルバムというよりも、バンドの状態をそのまま出した作品なんでしょうか。
ナカシマ:意図的にこんなふうに作ったというよりかは、たくさんの曲を作ろうって感じでどんどんできてきた曲たちの集まりでもあるんで、今のよりプレーンなおいしくるメロンパンとしての衝動みたいなものがちゃんと音になってるのかなと思いますね。
-8枚目と9枚目を同時リリースするバンドもいるっちゃいるかもしれないですけど、気持ちとしてはわりとそれに近いですか?
ナカシマ:そうですね。全然それと変わらない気持ちではあります。
-ではぜひ『phenomenon』が付帯する初回生産限定盤Aを買っていただいて。そして『eyes』のリリース後はロング・ツアーが始まります。このツアー・タイトルに"春夏秋冬レイトショー"ってついてるのがミソですよね。
ナカシマ:ははは(笑)。
-おいしくるメロンパンは毎回ツアー・タイトルにヒントが含まれてるから。この意味を妄想するのも楽しそうです。6月から11月までというロング・ツアーなのでどうします?
峯岸:(笑)
ナカシマ:今までで一番規模が大きいツアーなんで、この『eyes』と『phenomenon』って作品を最大限届けられるようなツアーにしたいなと思っています。
峯岸:長いライヴ・ツアーで同じセトリでガンガンやっていくので、どんだけそのセットリストで高みに持っていけるかみたいな。自分らのライヴの仕方と毎回見つめ合って、どんどんバンドとしてレベル・アップできるだろうなぁっていう感じになってるので、終わったときにどうなってるか楽しみです。
原:規模が何よりもデカくなってるんです。回る箇所もそうですし、会場自体も大きくなってますし、本当に去年以上に多くの人に観てもらいたいし観てもらうと思うんですけど、今年のLINE CUBE SHIBUYAはすごくいい手応えだったので、それ以上のものをより多くの人に届けたい。そういうライヴにしたいなと思っております。
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