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INTERVIEW

Japanese

古墳シスターズ

 

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Member:松山 航(Vo/Gt) 松本 陸弥(Gt/Cho) 小幡 隆志(Ba/Cho) ラース(川村直生)(Dr)

Interviewer:フジジュン

2023年で結成10周年を迎える、平成最後の青春パンク・バンド 古墳シスターズが、今年6月に2ndフル・アルバム『カノン』をリリースし、同月より全国ツアー"祝 10周年!そろそろ夢なら覚めてくれツアー2023"を開催中。結成後、"パンクバンドというよりは「何らかの集団」であった"という時期を経て、"音楽をしよう"と思い立って早数年。彼らのルーツとなる"青春パンク"を根底に感じさせながら、新たな表現にも果敢にチャレンジした最新アルバムと、その新曲たちを掲げて、古墳シスターズが新たな形を模索しながら粉骨砕身するツアー、さらに10周年を迎えての心境について、メンバー4人に話を訊いた。

-今年、結成10周年を迎えた古墳シスターズ。6月に2ndアルバム『カノン』をリリースして、現在は10周年記念ツアーの真っ最中! 夏には昨年に引き続き、"MONSTER baSH 2023"への出演も決定していて、絶好調に見える最近の活動ですが?

松山:言われてみればですけど、ずっと出たかった"モンバス(MONSTER baSH)"にも出れるようになって。活動の幅は少し広がったかもしれないですね。

-だから、2019年加入の小幡君とラース君はズルいんですよね。10年やってきて、わりと調子いいところだけ一緒にいる(笑)。

小幡:でも、僕は加入前にサポートの期間が2~3年あったんで。一番ズルいのはラースですよ。

ラース:やったぜ!

松山:松本とふたりでいるとき、よく言ってますよ。"あいつらズルいよな。お客さん0人の時代を知らないもんな"って(笑)。

松本:あの頃は誰もいないから、自分たちで楽しむしかなかったですからね。

-あはは。でも、そんな時代を笑い話として話せるようになって、続けてきた甲斐もあったというもんですが。10周年を迎えての感想はいかがですか?

松山:今も話した通り、気づけば足跡らしきものが後ろにあるなというのは感じていて。きれいな足跡ではなく、何回も練習した体育祭のあとみたいな、ぐちゃぐちゃでわけわからん足跡ですけど。らしきものは、最近になって感じるようになりましたね。

松本:のたうち回った跡とか、顔型までついてますから(笑)。

松山:四星球の康雄(北島康雄/シンガー)さんとかも"地べた這いつくばってきました"って言いますけど、這いつくばりぶりなら僕らも負けてないですから。10年ってのは感慨深いですね。

-よく話してますけど、最初の2年くらいは音楽って形すら成していなくて。"あれを経歴として入れていいのか?"って時代もあったという。

松本:あの頃は音楽活動じゃなかったと思うんですけど(笑)、やっと音楽っぽくなってきたな、っていうのが10年目の感想ですね。

松山:個人的には最近、ようやく音楽的な側面も見てもらえるようになったのかな? と思って。ありがたいです、本当に。

-世の中的にはライヴの規制もなくなって、ライヴハウスも賑わってきていて。

松山:そうですね。僕らは変わらずライヴをやり続けてきて、その変遷をまざまざと見てきたので。現在の状況のありがたさがよくわかります。

小幡:2020年のツアー("古墳シスターズのときめき修学旅行ツアー2020")は1本もやれなかったし、前回のツアー(2021年と2022年のコロナ禍中のツアー)も本当に動員がなくて。

松山:まぁ、もともとお客さんのいないバンドだったんで。だからって身構えることなく、ライヴもできてたんですけど、あの頃は僕らよりお客さんのほうが緊張してる感じがあって、"大丈夫だよ"っていうのをずっと言い続けてきた感じでしたね。

-フェスも今年がようやく人数規制もなく、本領発揮できそうですね。

松山:そういう大舞台で失敗するのが古墳シスターズなんですけどね(笑)。大一番で満を持してミスるっていう、そんな10年間でした。

-あはは。アルバムを引っ提げてのツアーはいかがですか?

松山:新曲を引っ提げてのツアーというのが久しぶりな感じがして新鮮ですね。まだ3本目くらい(※取材は7月上旬)で序盤も序盤なので、新曲たちがまだ馴染んでないところはあるんですが、ツアー本数も多いので、新曲たちと仲良くなって、今後も長い付き合いをしていきたいなと。苦手な曲も果敢にやって、無理やりでも仲良くなろうと思ってます。

-今回のツアーは10周年を祝ってという意味もありますが、新しい武器となる新曲たちを過去楽曲たちとも混ぜて、古墳シスターズの新しい形を作り上げたいですよね。

松本:そうですね。だからツアーも尻上がりに良くなっていくと思ってます。

松山:個人的にはそれと同時に、この10年積み重ねてきたものをぐしゃぐしゃにしてやろうと思っていて。小さくまとまったものにしたくないので、言葉のうえですけど、解散ギリギリまで古墳シスターズをぐしゃぐしゃにしてやろうと思って。だから、ヒドいライヴもしていきたいと思ってるし......いや、"ヒドいライヴがしたい"はおかしいですけど(笑)。0点のライヴも全然する気でいるし。

-守りに入るつもりはなく、果敢に攻めていきたいと。

松山:そうですね。たかが10年っていうのがあるので、全然その気はあります。10年10年言いすぎて、ちょっとまとまろうとしちゃってるので、それは良くないなと。バンド内でモメるくらいのことをして、仲が悪くなってもいいと思ってますから。陰口を言って、メンバーの関係がギクシャクしてもいいと思ってるし。

-そんな、わざと仲悪くなる必要はないけど(笑)

松山:いや、仲悪くなってもいいんで、この3人にめちゃくちゃ言って、せいぜい頑張ってもらおうと思ってます(笑)。

-でもそう思えるのって、今が変わるべきタイミングというか。今、バンドをもっと大きくしたいという、前向きな気持ちがあるからこそですよね?

松山:そうですね。僕、ガガガSPがすごく好きなんですけど、最近すごく変わってきていて。"俺たちは1回落ちた"と言ってるんですけど、そこから這い上がってきた現在の姿を見てきて、バンドってのは何回やり直しても成長することがよくわかったんで。僕らみたいなのこそこのままじゃなくて、どんどん変わっていかなきゃダメだと思ってます。

-2ndフル・アルバム『カノン』が完成しての感想はいかがでしたか?

小幡:アルバムはすごい難産でしたね。締切ギリギリまで粘って粘ってという感じで、レコーディング直前まで作り直したり、いろいろありました。結果、ベースは納得できる形でやれたんですけど、難しいことをしすぎて、ライヴでサビが歌えなくなっちゃったりして(笑)。

-でも、それだけ新しいことに挑戦できたってことでもありますよね?

小幡:そうですね、挑戦はかなりありました。今回は曲全体のことも考えつつ、"こういうフレーズが欲しい"というのをバッチリ入れられて、大満足でした。

ラース:僕は初めてツアーを反映して作れたアルバムになったことが大きくて。前のアルバム『スチューデント』(2020年リリース)のときはツアーができなくて、ミニ・アルバム『ハブ・ア・グッドバイ』(2021年リリース)のツアー("ハブ・ア・グッドナイトツアー2021")を経てアルバム制作に臨んだんですが、ツアー中のライヴやメンバーと会話したことを踏まえて、"こういう音楽が好きって言ってたから、こういうフレーズを叩いてみよう"とか、今までと違った気持ちで曲作りに挑めたんで。"俺を見ろ!"というよりは、"メンバーはこういう良さがあるんだよ"ってところも出せたと思うし、ビートもすごく練りやすくて、自分でも大好きな曲がたくさんできました。

松本:僕はレコーディング期間中、すごいしんどかったです。バイト行って、レコーディング行って、2時間だけ寝ての日々が何週間か続いて。若干、幻聴とかも聴こえてました。

松山:そう、レコーディング中に"この音、何?"とか言うんですけど、誰も聴こえてないんですよ(笑)。