Japanese
古墳シスターズ
Member:松山 航(Vo/Gt) 松本 陸弥(Gt/Cho) 小幡 隆志(Ba/Cho) ラース(川村直生)(Dr)
Interviewer:フジジュン
どんな劣悪な環境で聴いても心に残る、カッコ良くて頑丈なサビを歌いたい
-アルバム収録の新曲が7曲。それ以前にリリースした楽曲たちがあって、そこに新たに作った楽曲たちで肉づけしていった感じだったんですか?
松山:はい。配信楽曲たちが骨格を作って、"あとこういう曲があったらいいね"みたいな感じで僕と松本で作って。10周年にアルバムを出したかったので、配信楽曲を作っているときからその先にアルバムを見越して、みたいな気持ちは自然とありましたね。
-結果、すごくバラエティに富んだ13曲が揃いました。
松山:逆にやろうと思ってもできないことはできないし、結局、みんなで歌ったら古墳(シスターズ)の曲になるし。古墳は古墳なんだなというのもわかって、自分たちらしさも見えましたね。
-俺が感じたのは、1曲の中での物語性や感情の揺れ動きの表現がすごく上手くなったなということで。激しい曲は激しく、悲しい曲は悲しくだけじゃなく、1曲の中で揺れ動く感情が表現できていて。これはコロナ禍での制限のあるライヴやバンドと向き合う時期っていうのがすごく影響してる気がしました。ライヴをガンガンやって、その勢いでアルバムを作ってたら、表現しきれなかったもののような気がするんです。
松本:たしかに"しっかり聴ける曲を"って意識はありましたし、それはお客さんが聴くしかできない状況があったから、そう思ったのかもしれませんね。
松山:あの頃は反応がないので、見せるしかなかったと思います。ただ、そこで技術も上がったし、できることも増えていったとは思うんですけど、僕らが最終的に目指すのは"シンプルに"ってところで。いろんなことができるようになったうえで、シンプルにやりたいというのがテーマとしてあるので、曲も音源とライヴで変わっていくと思うし、そこは大事にしたいし、どんな劣悪な環境で聴いても心に残る、カッコ良くて頑丈なサビを歌いたいんです。
-松本君も"シンプル且つ、心に響くサビを"という考えは変わらない?
松本:変わらないですね。だからできるだけシンプルに、歌と持っていきたいと思って作ったのが、リード曲になった「季節を待って」だったりして。あの曲は5年前くらいからあったんですけど、今では考えられないくらいシンプルな曲で。
松山:できた時期で言えば「ベイビーベイビーベイビー」(2019年リリースのデモ『焼き芋フローズン/ベイビーベイビーベイビー』収録)と一緒の時期だったんですが、キーが高くて歌えない問題があって、なかなか形にならなかったんです。最近技が増えて、上手く転調させて歌えるようになったんですが、転調するまで5年かかりました(笑)。
-「季節を待って」の作詞作曲は松本君ですが、作ったときの気持ちは覚えてますか?
松本:覚えてます。"これはいけたな!"と思ったんですけど、松山が歌えないというもどかしさがあって。秘蔵っ子だったので、ずっと日の目を見れなかった子が、ようやく形になったのは嬉しかったですね。「どうかしてる!」もサビのヴォーカルが下に行ってたり、ひと工夫していて。いろんなことができるようになったし、納得のアルバムになりました。
-「季節を待って」はPVにもかわいい女の子が出演して、すごいポップな仕上がりになってて。バズるといいですね(笑)。
松山:バズりたいですね~。でも、古墳シスターズは流行りもしなければ、廃りもしないジャンルにいると思ってて。やればやるほど光るものもあると思うし、ガガガSPとかPANとかセックスマシーン!!とか、おじさんたちが楽しそうで仕方ないので、年取ることも望んでいます。年取って、なお光りたいですね!
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