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INTERVIEW

Japanese

RAY

2023年04月号掲載

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Member:愛海 内山 結愛 琴山 しずく 月海 まお 紬 実詩

Interviewer:宮﨑 大樹

"『アイドル×????』による異分野融合"と"圧倒的ソロ性"を掲げるアイドル・グループ RAY。シューゲイザーを軸にIDMや激情ハードコアほか、様々なジャンルをアイドルポップスに昇華させた音楽が国内外で評価されている5人組だ。そんなRAYは、2月から4月にかけて3ヶ月連続配信リリースをしており、いずれもそのクオリティの高さに驚かされる。グループについて、配信される3曲について、話を訊いた。


もともと曲がいいけど、アイドルが歌うことでさらにエモさが増している


-Skream!のインタビューに初登場なので、まずは読者に向けてオリジナル・メンバーの内山さんからグループの紹介をお願いします。

内山:RAYは"『アイドル×????』による異分野融合"と"圧倒的ソロ性"という、2本軸で活動しています。"異分野融合"という点では、シューゲイザーという音楽ジャンルを軸にしつつ、激情ハードコアだったりIDM(インテリジェント・ダンス・ミュージック)だったり、一般的にはマイナーとされるいろんな音楽ジャンルをアイドルポップスとして届けることが音楽のコンセプトとしてあるのかなと思います。"圧倒的ソロ性"という点では、ダンスだったり、作曲だったり、デザインだったり、メンバーひとりひとりに得意なことがあって。2022年9月に加入してくれた3人(愛海、月海、紬)も含めて、先日のワンマン・ライヴではひとりひとりが自分のできることを持ち寄って作り上げたので、"圧倒的ソロ性"と言われるRAYのコンセプトは5人でできているのかなと思います。

-新メンバーとしてRAYに入るのは、"圧倒的ソロ性"を求められるということですね。

琴山:プレッシャーがヤバいですよね(笑)。

-(笑)そんな"圧倒的ソロ性"のある各メンバーについて、メンバー同士で紹介をお願いします。まずは琴山さんについて。

内山:しずくちゃんは歌声が突き抜けているんですよ。明るいRAYの曲では、しずくちゃんの声が絶対的に必要だと自分は感じています。

愛海:歌だけじゃなく、ダンスもめちゃくちゃ上手くて。ステージを観ていると一番輝いている。

月海:あと笑顔も輝いている。私と一緒で身長は低いけど、パフォーマンスが大きく見えるし、すごいなと思います。

-続いて紬さんについて。

内山:ダンス番長。金髪もトレードマーク。最近切れ毛がひどいみたいでめっちゃ気にしているんですけど(笑)、きれいなストレートです。

琴山:ステージでのダンスもすごいんですけど、練習での人に伝える力もすごくて。もともとダンスの先生をしていた経験もあり、メンバーに教えるのがめちゃくちゃ上手いです。

内山:自分はずっとRAYでやっているのに、(紬を観ていると)"この振付はこうやって解釈したらもっとやりやすいのか"という発見があって。"いつもありがとう先生!"って思っています(笑)。

-愛海さんについてはどうですか?

内山:立っているだけでいいと思う。オーラがすごい。凛としていてクールなんですけど、日常生活ではゲラゲラ笑うし、人懐っこいところもあって。ギャップに日々やられています。

琴山:外見も魅力なんですけど、私的には愛海ちゃんは内面もすごく魅力的です。ワンマン・ライヴ関連の試みで、ひとりひとりに合う衣装デザインを考えてTwitterで投稿してくれたんですよ。デザインができるだけでもすごいのに、メンバーの個性を掴んでデザインをしていて。それって、ひとりひとりをちゃんと見て理解しないとできないので、人を見る力とか、そういうのがすごくあるんだと思います。

-月海さんはどうでしょう?

内山:月海さんは、歌もダンスも、アイドルという活動も初めてなんですよ。なのにファンの方が撮影した写真を見ると、ウインクしていたりセクシーなお顔をしていたり、"どこでそんなのを覚えてきたの!?"というくらいにハッとさせられることがあります。

愛海:アイドル初経験なのにそうは思えないくらいちゃんとしていて。特典会もそうだし、ステージ上でもそうだし、すごいと思う。

琴山:ギターも上手で、主催イベントのときに自作の曲をやったんです。RAYでは見られない顔がそういうところで見えて。

紬:ギターを弾いているときは人柄が変わるんですよ。普段はほんわかしているのが魅力なんですけど、ギターのときは憑依というか、カッコいい方向にスイッチが切り替わるんです。でも、弾き終わるとケロッとしている(笑)。そういう二面性が魅力かもしれないです。

-そして最後は内山さん。

琴山:これはずっと前から言い続けているんですけど、歌声が好きです。声質も好きだし、それに表現力が加わることでもっと素敵になっていて。

紬:RAYとしては一番長くいるし、RAYじゃないアイドルの経験も長いんですけど、私のダンスを見てまだまだ吸収するんですよ。伸び続けているので、相乗効果というか、私も掻き立てられる感じがあります。追いつきたいのに追いつけない。

月海:あと、バイタリティがすごい。常に何かをしていて、空き時間がない。真面目だし、ストイック。ストイックすぎて怖い(笑)。

-内山さんはアイドルとしての活動だけじゃなく音楽レビューも続けていますし、最近はライヴの制作にも足を踏み入れたらしいじゃないですか。

内山:そうですね。毎日ブッキングのメールを書いています(笑)。

-話を聞いていて、メンバー同士リスペクトし合って活動しているのが伝わりました。でも、今の体制になってまだ半年くらいしか経っていないんですよね?

内山:そうなんですよ。ずっと一緒にいる感じがしちゃうから、自分しかいなかったイベントの話とかを"あのときこうだったよね?"とか言っちゃうんですよね(笑)。

-新メンバーという感じじゃないんですね。

内山:そうですね。それにあんまり区切りたくなくて。RAYのメンバーとして集まってきたという認識でみんなを捉えています。

-すでに少し話が出ましたけど、2月に新体制初ワンマン"#RAY_Bud"がありましたよね。

月海:ひとりひとりが曲を作ったりグッズを作ったり、いろんなことをしました。いつものライヴよりみんなの個性が見えたし、パフォーマンスとしても頑張ってきたものがしっかり出せたんじゃないかなと思います。

紬:私は曲と曲の繋ぎで、それぞれにダンスを割り振ったダンス・パートを作ってみました。既存曲を歌って踊っているだけだと、ただのライヴと変わらない感じがあったんです。外部のライヴを観たときに、ダンスを売りにしている時間がすごくカッコ良かったので、自分もダンスをやってきた人間として、そういうことに取り組むことをソロ性の部分としてやってみたいと言いました。やっていてさらに新たな発見をした気がするし、もっとダンスを売りにしたいという、個人的な願望が芽生えたかなと思っています。

-このワンマンって、コンセプトとしては"決意表明的ワンマン"と掲げられていたんですよね?

内山:ワンマンにあたって"自分の個性はなんだ"とか"自分がこれからやりたいことってなんだ"とか、重ための宿題を渡されたんです。私もずっと"圧倒的ソロ性"に苦しめられてきた側の人間なんですけど、"自分が今後やりたいことってなんだろう"と考えたときに、"自分は音楽に関わり続ける人生にしたい"と思って。それを言ったからにはもうやるしかないので、覚悟がいる言葉でしたね。そういうものをひとりずつ掲げたり、"見つけること"が今後に向けた目標だというメンバーもいたり、各自の目標を持ち寄ってRAYとしてひとつにまとまっていったので、RAYとして強くなれたテーマだったんじゃないかなと思います。そこで終わらずにRAYは続いていくので、今後に向けてもRAYとして活動していくのが楽しみだなと思いました。

-"新メンバーに「圧倒的ソロ性」があるのか"って、お客さんとしても気になるところではあると思うんですけど、それを見せつけられる場になったんでしょうね。メンバーは変わったけど、RAYの本質は変わっていない――そんなものが裏テーマにあったんじゃないかなと想像しました。さて、現在RAYは2月から4月にかけて3ヶ月連続配信をしているところですよね。

内山:この体制での新曲がめちゃくちゃいいから、絶対に早く形にしてみんなに聴いてもらいたいと思っていて。音源として出ないと、会場だけで終わってしまうじゃないですか? 配信で世界中に聴いてもらえるようになればもっと届くと思うので、この3ヶ月リリースがすごく嬉しいです。

琴山:話題が尽きないことが重要だなと思っていて。今回の3ヶ月連続リリースは、1ヶ月に1曲RAYの楽曲を発信できることで、よりRAYのことを話してもらえる機会が増えて、もっとRAYのことを知ってもらえるんじゃないかなという期待があります。

-個人的には、CDじゃなく配信というのもポイントだと思っていて。というのも、RAYは海外の方によく聴かれているそうですよね。

内山:そうみたいですね。YouTubeでコンテンツを出すと英語のコメントがありますし、配信で1位を取ったりもしていて(Apple MusicのJ-POPアルバム・ランキングにて、2022年リリースの1stアルバム『Pink』がフィンランド、ポーランド、スロベニア、フィリピンなどで1位を獲得している)。

-アイドルって、会いに行けるのがひとつのポイントだったりするけれど、海の向こうのアイドルの曲が聴かれているということは、音楽が認められているからなんだろうなと。みなさんもそこに対しての自信はあるんじゃないですか?

月海:そうですね。私はもともとバンドが好きで、シューゲイザーも高校生のころから好きで聴いていたんです。たまたまシューゲイザーをYouTubeで調べていたらRAYを見つけて。アイドルとは知らずに『Pink』というアルバムに入っている「Meteor」を聴いて"めっちゃいい!"と思いました。それで調べてみたら、"え、アイドルなの!?"みたいな。こんなにカッコいい曲をアイドルが歌って踊っていると考えたらすごいなと。

琴山:シューゲイザーってまったく知らないジャンルだったんですけど、アイドルポップスとして届けられると聴いてしまうというか。もともと曲がいいけど、アイドルが歌うことでさらにエモさが増しているというか――エモさ? エモさって初めて言った(笑)。音源で聴くのとライヴで観るのとではまったく違うんです。前のグループのときによくRAYと対バンしていて、そのときから音源とライヴのギャップがいい意味ですごかったですね。

-ライヴハウスの音響で聴くシューゲイザーは音圧がすごいですからね。

内山:自分でたまにクラクラしますもん。白目剥きそうになるくらいヤバいときがある(笑)。

一同:(笑)

内山:あ、でもRAYは耳栓も売っているので(笑)。

-(笑)シューゲイザーのアイドルというと、先駆けとしてはヤナミュー(ヤなことそっとミュート)の存在がありますけど、RAYは次世代の存在として引っ張っていけるように感じます。

内山:嬉しいです。