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INTERVIEW

Japanese

EMPiRE

2021年05月号掲載

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Member:YU-Ki EMPiRE MAYU EMPiRE MiDORiKO EMPiRE MAHO EMPiRE MiKiNA EMPiRE NOW EMPiRE

Interviewer:宮﨑 大樹

EMPiREの歩み、進化は止まらない。初の両A面シングル『HON-NO / IZA!!』を聴いてそう感じた。彼女たちの"カッコいい"をアップグレードしたEMPiREの最新バージョンとも言える「HON-NO」に、初の外部プロデューサーとしてSeihoを迎えた「IZA!!」。時代が混迷していようが、6人の女帝は、エージェントと一緒に前に進み続けていく。本作の制作や、"EMPiRE ULTRA ViBES TOUR"の手応えなど、全員にたっぷりと語ってもらった。


「HON-NO」は背中をドンと押してくれる強さがあって、「IZA!!」は"一緒に進んでいこうよ"と手を取るイメージ


-"EMPiRE ULTRA ViBES TOUR"が始まりましたね(※取材は2021年4月中旬)。

MAHO:ひとつひとつの公演にいい空気を感じています。ライヴが終わったあとには、もう次のライヴが楽しみで。このツアーをシンプルに楽しんでいる感覚です。いいツアーができています。

NOW:エージェント(※EMPiREファン)がたくさん手を挙げて一緒に踊ってくれているし、私たちとの距離が公演を重ねるごとにさらに近づいている感じがして。それが気持ちいいです。楽しい。

-シンプルに楽しめているのは、前回インタビューをした東京国際フォーラム("EMPiRE BREAKS THROUGH the LiMiT LiVE")での経験が影響していますか?

MAYU:フォーラムの経験は大きかったのかなと思いますね。肩の力とか言っていられるレベルの長さ、構成ではなかったから、そこで肩の力の抜き方を掴んだ気がします。

YU-Ki:リラックスしてできています。"今までは自分の知らないところで緊張が勝っていたんだな"と気づけるくらい。私は"EGP"("EMPiRE'S GREATEST PARTY -EAT SLEEP EMPiRE REPEAT-")でそれを掴んだ感覚がありますね。フォーラムでは曝け出したライヴができたんですけど、"EGP"では"好きにやっていいんだ"、"私たちのライヴって楽しい!"みたいに、いい意味で何も考えないでできたライヴだったなと思って。その感覚が今回のツアーでいい感じに出ています。

MiKiNA:YU-Kiちゃんが言った通り、"EGP"は意志を持って肩の力を抜けたので、その経験がこのツアーで出せているんじゃないかなと思います。1公演ごとにいろんなチャレンジをしているんですけど、実際にやってみないとお客さんの反応ってわからなくて。なので、1公演ごとに反応から学んでいって、公演ごとにアップグレードできている感覚もありますね。だからこそ空気も良くなっているし、それがお客さんにも伝わっているから、柔らかいライヴができているんじゃないかなと思います。

-今回のツアーでのチャレンジは、例えばどういうことをしているんですか?

MiKiNA:「Have it my way」(2019年リリースの2ndフル・アルバム『the GREAT JOURNEY ALBUM』収録曲)のイントロのドラムロールを長くしているんですよ。"EGP"で1回やってみて、今はそれをもっと長くしたバージョンでやっているんですけど、そうすると曲中にコール&レスポンスができるんです。そういったことをやってみて、声が出せなくてもこういうコミュニケーションの取り方があるんだなと気づきました。一個一個の学びが大きくて、今後に繋がっています。

-このツアーは、合宿("WACK合同オーディション2021")が終わってからの開催でした。合宿に参加したYU-Kiさんは、その経験が自分自身への気づきになったりしましたか?

YU-Ki:候補者の子と組んで発表をしたことで、自分がメンバーに甘えていた部分とか、支えてもらっていたことを改めて感じて。それは今後自分でも直さないといけない部分でもあるし、なんだろう......メンバーに対する愛が深まりました(笑)。あとは、純粋にエージェントとやるライヴが楽しいなと感じましたね。

MiKiNA:初心に戻ったとか?

YU-Ki:うん。なんか、安心します。エージェントの顔を見ると。

-周りのみなさんはYU-Kiさんの合宿での行動を見ていて、どうでした?

MAYU:ポンコツだなと思いました(笑)。でもそれがかわいくて。

MiDORiKO:憎めないなぁって。

MAYU:そう! 親バカ的な思想なんですけど、マジでかわいくて仕方なかった(笑)。"うちのYU-Kiは、できないけどかわいいでしょ!"という気持ちになって(笑)。でも、それは悪いことではなくて、グループとはそういうものだなと思いました。なんでもできる人が6人集まったらいいグループになるわけじゃないと感じるんです。YU-KiにはYU-Kiのいいところがあって、できないところがあって、でも私にできないことをYU-Kiはできる。グループって支え合っているものだなと思ったから、みんなを大事にしようと思いました。

-離れてみることで結束が深まったり、見えていなかったものが見えるようになったり。

YU-Ki:たしかに。寂しかったです。

MiKiNA:会ったときの第一声が"寂しかった"でしたもん。

NOW:涙をこぼしながら。

MAYU:つらかったとかじゃなかったもんね? 寂し泣き。

MAHO:"寂しかったぁー!"と言ってきてから、全然離れませんでした(笑)。

MiDORiKO:寂し涙を流せるのはすごいよね。保育園の送り迎えみたい。

-(笑)ここからは両A面シングル『HON-NO / IZA!!』について聞いていきますが、レコーディングはいつごろだったんですか?

MAYU:「HON-NO」は1年前です。『SUPER COOL EP』のレコーディングのときに一緒に録っていて。でも、コロナ禍でいろいろ遅れて、ずれて、温めていました。「IZA!!」は冬だったかな?

MAHO:今年の1月末ですね。

-「HON-NO」のレコーディングはそんなに前だったんですね。初披露が"EGP"だったことを考えると、早くライヴでやりたくて仕方なかったんじゃないですか?

MAYU:そうですね。振付も去年の夏くらいには取り掛かっていて。ワンコーラスだけ考えていたんですけど、ツアーが始まって、いろいろ忙しくなってきたので置いていて。リリースが決まってからもう一度考えた感じでした。

-本作は、両A面シングルというだけであって、どちらも個性が強い作品になりましたね。全然違う曲調だけど、どちらもEMPiREらしい。

MiDORiKO:そうなんですよ。いいとこどり!

MAYU:どっちも強い。タイプは違うけど、どちらもEMPiREがイメージとして掲げているもの、私たちの強みだと思っている部分だから、両A面で出せて嬉しいですね。「HON-NO」は、いつも通り松隈(ケンタ/サウンド・プロデューサー)さんとSCRAMBLESさんの音楽で、「IZA!!」は初めて外部の方、Seihoさんに書いていただきました。初めてSCRAMBLESさん以外の方の音楽をやらせてもらったので、どっちの良さにも気づきましたね。「IZA!!」もカッコいいし、「HON-NO」も、今まで歌ってきたものも、すごくカッコいいんだなと改めて思いました。

MAHO:どっちも前向きな感じなんですけど、「HON-NO」は背中をドンと押してくれる強さがあって、「IZA!!」は"一緒に進んでいこうよ"と手を取るイメージ。前向きなんだけど、それぞれ違う角度から寄り添ってくれる曲で、今の気分にすごく合う感じがします。

-「HON-NO」は、ダンス・ミュージックを基盤にしつつ、メロディも含めてところどころにロック的なエッセンスも感じました。そういう意味では、シングルで出してきたEMPiREの曲の最新バージョンという印象で。

MAYU:攻撃力が高いですよね。

-イントロからパンチがありますよね。ライヴではイントロが流れた瞬間にアガりそうです。

MAHO:エンジンが掛かっている感じがあって好きですね。

MiDORiKO:私はこの曲が本当に好きで。1年前にレコーディングして、わりとすぐにメンバーの声が入った音源が送られてきたから、毎日のように聴いていました。それくらい大好きで、ずっと世に出したかった曲です。ようやくですね。

-歌詞からは、現状に満足せず、まだまだ攻めていく気持ちが表れているような印象を受けました。

YU-Ki:本当に、めちゃくちゃ強気な歌詞じゃないですか? 歌っていても目で殺せそうなくらい、自分たちも強くなれる曲だなと思って。この曲をライヴでやっているメンバーの目が好きなんです。すごく鋭い、"闘ってやるぞ"みたいな強い目をしていて。この歌詞があってこそだなと思います。

MAYU:ずっと自問自答しているというか、自分の中でぐちゃぐちゃ考えている感じの歌詞だと感じています。強気になったり、弱気になったり、みたいなことの繰り返しが本能だなと思うんです。強いばかりが人間じゃないから、疑問形のところもあったりして。"不安な気持ちもあるけど、それを全部抱えていくしかない"みたいな感じが、自分に合っています。歌いやすい。

-あぁ、MAYUさんはよくSNSで自問自答ツイートをしていますもんね。

MAYU:そうですね(笑)。自問自答ツイートが多めで(笑)。

YU-Ki:私はMAYUちゃんが歌っている"僕らバカじゃない"というところがすごく好きです。歌っている顔がすごくカッコいいんですよ。なんか、もう......すごくカッコいいんです。

MAYU:(笑)

YU-Ki:言葉では表せないんですけど、とりあえず見てほしいくらいカッコいいです。

MiKiNA:これを歌っているメンバーは、素の強さが出ているんじゃないかなと思うんですよ。ライヴ中は、その人の内に秘めているものが、そのまま出ている印象があります。

-みなさんの根底には強い自分がいて、それが引き出されているんですね。

MiKiNA:みんな強くなっている気がします、段々と。

MAYU:こういう強い気持ちがなかったら、EMPiREをやっていないんだろうなと思います。

-そう言われると納得です。レコーディングにはどんな意識で臨んでいましたか?

MAYU:語気が強い感じで歌おうと意識はした気がする。それと、最初の"撃ち抜いてくぞサイン"のところとかは、ちょっと嘲笑う感じで歌ったりしました。

NOW:「HON-NO」は1年前のレコーディングだから、2サビとかの自分の声がすごく幼くて。今聴くと"この歌い方で良かったのか、NOW?"と思ったりしたんです。

MAHO:いや、いいんだよ。

NOW:曲が強気だから、自分のそういう声があまり合っていないのかもと考えていた部分もあったんです。けど、今も言ってくれたように、メンバーもいいと言ってくれたりとか、ファンの人たちも褒めてくれたりするので、自分らしさも出しつつ強気で歌えたのかなと思います。

-ミュージック・ビデオは、EMPiREのカッコ良さを出す方向に振り切った映像に仕上がっていますね。

MAYU:EMPiREの本質的な意味でのカッコ良さが表現されたMVになりましたね。監督の山田健人さんは"ERROR ERROR ERROR TOUR"からライヴの映像演出にずっと携わっていただいていて、EMPiREのことをめちゃくちゃ考えてくれているんです。練習のときからいろいろな話を聞いてくれましたし、"こういうふうにしたい"みたいな話もしてくださって。

MAHO:"あなたはこういう表情がカッコいいと思う"とかも伝えてくださったんです。そういうものが詰まったMVだから、絶対的な自信を持ってみんなに観てもらえました。

-撮影で印象的だったことはありますか?

YU-Ki:雨が降りました(笑)。外の撮影は1回だけだったんですけど、そのときにどしゃ降りになって、私たちが室内に入ったら雨が止みましたね。なので、もともとは濡れているカットの予定ではなかったんですけど、びしょ濡れでカメラを上から睨んでいる画になりました。撮影のときに山田監督が"雨女"じゃなくて、"太陽吸収しすぎだよ"と言ってくれたんですけど、なんて言葉のチョイスが素敵な方なんだろうと思って(笑)。すごくないですか? その些細なひと言で、山田監督は、人を傷つけない、そういう心配りを常にしている方なんだろうなと感じました。

MAHO:その話、絶対に山田さんが恥ずかしい思いするよ(笑)。