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INTERVIEW

Japanese

魔法少女になり隊

 

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Member:火寺 バジル(Vo)

Interviewer:秦 理絵

-gariさんがゾンビ映画を観たように、バジルさんも何かにヒントを得て書いたんですか?

自分が遊園地に行ったときのことを思い出すとかしたんですけど、なかなかうまく書けなくて。こうなったら行くしかない! と思って、実際に友達とユニバーサル・スタジオ・ジャパンに行きました。ちょうど大阪にいる機会があって。実際に見たものをメモしたり、待ち時間とかに人間観察したりしてたんです。

-歌詞と同じように実際に天気も悪かったんですか?

そうなんです。これも自分の中で裏テーマで、フル・アルバム(2017年リリースの『魔法少女になり隊~まだ知らぬ勇者たちへ~』)に「ハッピーエンドの魔法」っていう曲があって、それの続編なんです。あのふたりの"その後"みたいな。それも雨の話なんですよ。近くにいるけど、この気持ちを言えない。雨が降っている間は相合傘で距離が近いけど、雨がやんだら、いつも通りの距離になっちゃうみたいな。

-結果今回もまだ言えてないっていう。

そう、まだ言えてないんです(笑)。

-最後の「まぶたの裏のLEDライト」は、パレードの曲ですね。

この曲、実は4年前からあったんですよ。私が初めてひとりで歌詞を書いてて、プリプロまでいった曲なんですけど、納得いかなくて。

-今回のgariさんの歌詞は、当時のバジルさんの詞を受け継いでるんですか?

テーマが残ってる感じですね。宇宙から来た何かと出会って帰っていくみたいな曲だったんですけど、それをgariさんのフィルターで書き直してるというか。だから、歌詞に星が出てくるとか、曲調もスペイシーなんです。

-gariさんの歌詞は、抽象的というか、どこか余白がありますよね。

こういう歌詞が好きですよね。自分が思うJ-POPのいい歌詞の基準があるらしくて。前作の「アーバン∀タネモノガタリ」とかもそうなんですけど、結構繊細で優しいところがあるんです。あと、私には書けないことを書けるんですよ。今回はそれぞれの得意な部分を生かした歌詞になったと思います。

-なるほど。この曲では"星屑の見えた場所へと連れてって"って歌ってますけど。結局ましょ隊って、"ここではないどこか"に連れていきたいバンドだなと思うんですよね。

うんうん。

-だから、今回の"遊園地"っていうテーマが、すごく似合うなと思ってて。

そうなんですよ。みんなで非現実的なものを作りたいんですよね。4人共結構変わってるじゃないですか。捻くれてるというか。普通に友達とワイワイして楽しいみたいなタイプじゃない。ゲームとかアニメとか漫画とか、そういうちょっと違う世界が好きだから、感動するポイントがそっちだったりするんですよ。

-リアリティのあるものよりも。

そう、甲子園を見て泣いちゃうタイプの人たちではないんです。もしかしたら、ウイさんとかは、好きかもしれないですけど(笑)。そういう人たちの集まりだから、魔法少女になり隊っていう、バンドだけど、ファンタジーなものを作ったんです。

-メンバーと同じように、ここではないどこかに逃げ場所を求める人たちが集まれる場所として、ですよね。

そう。でも、普通のロック・バンドみたいに、MCとかで"いつでも帰ってこれる場所だから!"みたいなに言えるタイプではないんですよね。ライヴとか音楽でディズニーランドみたいな夢の世界を作ることが私たちの役目というか。全員でヒーローっていう感じじゃなくて、もっと近い存在として、日常を忘れさせるよっていうものを作っていけるようにしていきたいと思ってるので。特に今回は、それが強く出せた作品なんです。

-なるほど。

あとお客さんを見てると、自分たちに似てる人が集まってるなと思うんですよ。

-ファンはアーティストの鏡と言いますからね。

そういう傾向はありますよね。私は、ひとりでライヴを観にいくタイプなんですけど、私たちのお客さんも、ひとりで来てる人がいっぱいいるんです。今週頑張ったからってなんとかライヴハウスに辿り着いて、その瞬間だけはすべてを忘れて楽しんで、その余韻で来週も頑張ろうみたいな人が多いんだろうなっていうのは感じますね。

-このアルバムを引っ提げたツアー(10月27日から12月にかけて開催する[ワンマンツアー2019 "まほうランドへようこそ!"~ガリ館長と不思議な遊園地~])でも、そういう場所を作っていきたいですか?

今回は、自分たちでできるテーマパークはどういうものか? っていうのを突き詰めたいと思ってます。その準備のためのインプットとして、またディズニーランドにも行こうと考えてて。舞台とか、いろいろなエンターテイメントを観にいってるんです。現実のいろいろなことを忘れられるような、ましょ隊ワールドを楽しんでほしいなと思います。

-ちなみに、"POPCONE"というタイトルは、最後に付けたんですか?

明治さんが付けたんですよ。コーンのスペルは"CORN"が正しいけど、わざと円錐の"CONE"にしてて。遊園地に行ったら、いろいろなポップコーンの匂いがする。そういうバラエティに富んだ作品っていう意味と、尖ったバンドっていう意味で付けたって明治さんが言ってました。よく見ると、ジャケット写真は、カラーコーンを上から見たデザインになってるんですよ。それがゲームのボタンみたいに見えるのも、私たちらしいですよね。