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INTERVIEW

Japanese

魔法少女になり隊

2016年10月号掲載

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Member:火寺 バジル(Vo) gari(VJ/Vo) ウイ・ビトン(Gt) 明治(Gt)

Interviewer:秦 理絵

ダンス・ミュージックからラウドロック、へヴィ・メタル、RPGからアイドル、ヲタ芸まで、あらゆるカルチャーを呑み込んだ新世代ロック・バンド、魔法少女になり隊。9月21日リリースのシングル『KI-RA-RI』でいよいよメジャー・デビューを果たす4人にSkream!初のインタビューを行った。なぜ、魔法少女になり隊はここまでコンセプチュアルにバンド像を作り上げたのか? その答えは、ひたすらに"面白いこと"を追求する直観的な好奇心と、タブーなしに音楽で遊べてしまうフリーダムな冒険心ゆえだ。なお、ヴォーカルの火寺バジルは魔女の呪いによって喋ることができないため、筆談でインタビューに答えてもらった。

-魔法少女になり隊のライヴは、昔の"ドラゴンクエスト"を彷彿とさせるドット絵の映像を使っていたり、ヲタ芸を打っていたりと、もはやバンドの枠を超えたカオス状態ですよね。

gari:そう言われることが多いですね(笑)。自分たちではノンジャンルって勝手に言ってるんですけど。音楽のジャンルも決めてないし、ライヴで映像を使うこともそうですけど、いろんな要素がありすぎて一概には説明できないバンドですよね。

ウイ:メンバーの名前もまとまりがないですから(笑)。

火寺:"これがあったら楽しいね"が全部詰まってます。

-バンド名はそのままバンドのコンセプトになってますけど、これはどういう経緯で?

gari:(火寺)バジルさんが魔法少女になりたすぎて、勝手に決めたんですよ。

-魔法少女になりたすぎた......?

gari:バジルさんは魔法少女にならなきゃいけない理由があるんですけど......、まずバジルさんがシャケのおにぎりを食べてしまったんですよ。そのおにぎりは魔女のおにぎりで、勝手に食べてしまったから、魔女が怒って"お前はもう喋るな"って呪いをかけちゃったんです。それで、すごく困ってるみたいだったから、僕が"魔法少女になりなよ"って助言をしてあげて。それから他のメンバーが仲間になって、呪いをときに行くぞ! ってこの冒険を始めるときには"魔法少女になり隊"って決まっていた感じです。

火寺:魔法少女って女の子の永遠の憧れだし、誰でも夢見るものですよね。gariさんナイズ! って思いました。

-いわゆる一般的なバンドとは明らかにやり方が違うと思うんですよ。

gari:やり方という言い方が正しいかはわからないんですけど、僕らは絶対にこれが面白いなと思ってやってるんです。それをみんなにも楽しんでほしいから。常に自分たちが面白がってやらなきゃ伝わらないよねって思ってますね。

明治:私たちはバンド名も"魔法少女になり隊"だから、アイドルだって思われることもあるんです。普通のバンドとは違うとか、そういう見方もされるんですけど。でも、バンドっていう形がありつつも、それでいかに幅広くみんなに面白いと思ってもらえるか、みんなで意見を出し合ってるんです。"あ、これをバンドでやったら面白いじゃん"っていうのを目指してるんですよね。

-あくまでバンドでありながら、バンドという概念を壊そうとしてると?

gari:そうなのかな。でもバンドなんです。あ、バジルさんから質問があるみたいです。

火寺:ライヴを観たとき、カオスであること以外に何を感じましたか?

-音楽のことで言うと、鳴らしている音はゴリゴリのラウドロックなんですけど、歌がすごくキャッチーで親しみやすいなと思いました。

ウイ:あ、それは嬉しいですね。作曲は主に僕が担当してるんですけど、常にポップでありたいなと心掛けてるんです。音に関してはゴリゴリな印象って言われることもあるんですけど、僕はそこまでゴリゴリなつもりはないんですよ。

-自分で聴く音楽もポップなものが多いんですか?

ウイ:やっぱり、J-POPは街を歩いてるだけでも耳に入ってくるじゃないですか。そういう音楽はもちろん聴いてるんですけど。昔、友達からへヴィ・メタルのCDをもらったんですよ。それがかっこよくて。その影響はあるかなと思います。あとは海外のパンク、ヴィジュアル系の音楽も聴いたり。とにかくいろいろ聴いてきたので、そういうのが作る音楽に漏れちゃうんです(笑)。

-他のメンバーは?

明治:私はもともとポップな音楽はあんまり聴かなかったかな。ポップっていうと電気グルーヴが好きなんですよ。ヴィジュアル系もよく聴いてましたね。

gari:僕はパートとしてはシャウトをやってるんですけど、意外とオシャレな音楽も好きなんです。"YOUR SONG IS GOODを聴いてる自分、オシャレ"とか思っちゃうんです。

ウイ:曲を聴いてる自分がオシャレ(笑)。

gari:そうなんです(笑)。でも、自分の中からはシャウトしか出ない。だから、本当はユアソンが好きなんですっていうのを、Skream!という場所を借りて言いたいです。

火寺:わたしはバンドが好きで、ライヴに行きたいと思ったらすぐにどこへでも行っちゃいます。あと、アイドルが好きだったりもするんです(笑)。

-バジルさんはアイドルになりたいと思ったことはありますか?

火寺:1回だけあります。でも、見てる方が好きなんです。アイドルもバンドも夢を掴んでいく姿が目に見えるから、その姿に憧れるし、元気や勇気をもらえると思うんです。そんな感じがメジャー・デビュー・シングル『KI-RA-RI』に出てると思います。

メジャー・デビューをすることは、7月1日に原宿アストロホールで行われたツアー・ファイナル(※"魔法少女になり隊 ワンマンツアー 2016~わたし、魔法少女になりたい!~")で発表されましたが、そのときのことは覚えてますか?

gari:すごく喜んでくれてるお客さんが多かったですね。

ウイ:全員ですよね(笑)。

gari:あの日は映像でメジャー・デビューを発表したんです。ピロピロって(RPG風の)文字を出して、ドカーンって演出をしたら、会場中が"わー!"ってなって。

ウイ:俺らはステージの横にいたんですけど、その声が大きすぎて圧倒されましたね。俺らもメジャー・デビューは嬉しいけど、それをみんなで共有できてさらに嬉しかったです。

明治:メジャー・デビューするという実感はまだあまり湧いてなかったんですけど、そのときに"あ、(デビュー)するんだ"と思いました。

火寺:鳥肌が立ちました。