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INTERVIEW

Japanese

popoq

2019年07月号掲載

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Member:上條 渉(Vo/Gt) オグラユウキ(Ba/Cho) 右京(Dr/Cho)

Interviewer:吉羽 さおり

何か新しい象徴になりたいと考えたとき、こうだねってすぐにわからないものの方が絶対に面白い


-「lorelei」は上條さんとオグラさんで歌詞を書いていますが、これはどうやって進めていったんですか。

上條:この曲は、テーマは決まっていたんですけど、どうしてもそのとき僕と右京が歌詞を書けなくなっちゃって、ダメだ、ダメだってなっていて。

右京:もうレコーディングの直前だったんですけどね。

上條:オグラさんは、僕や右京の歌詞を邪魔したくないという気持ちがあって、ずっと歌詞に関しては助言をしてこなかったんです。しかもいい歌詞だから言うことはないと言ってくれていて。でもさすがに、ふたりともスランプになっている姿を見て──

右京:"俺が手伝うよ"と言ってくれたんですよね。

オグラ:ふたりの書く歌の世界観が好きなんです。僕も右京も"スター・ウォーズ"がめちゃくちゃ好きで、自分でもちょうど観返していた時期だったから、これはもうテーマは"スター・ウォーズ"にしようと。"スター・ウォーズ"ってただのSFじゃないんですよね。深い人間性とか、光と闇とかを描いていて、そういうことを右京と話しているときに、面白いなと思っていたから、それを歌詞にしてみようと、1時間くらいでさらっと書いて。

上條:それでオグラさんが持ってきてくれた歌詞を、僕も自分なりに書き換えたり、"歌うならこっちの言葉がいいな"って変えたりして。それでふたりで共作できた感じなんです。

-「lorelei」は3人がうまく絡んでできあがった曲ですね。

上條:そういう意味でも、この3人じゃなきゃできなかったなと思います。

右京:やっぱりタイトルが決まってると、書きづらいのかな(笑)? 音はCOCTEAU TWINSとか THE SMITHSとかから影響を受けて作ろうっていうのはあったので、曲は早かったんですけどね。

-タイトルは、音の中から拾っていくような感覚なんですかね。この"lorelei"というのはどんなイメージで付けたんですか。

右京:COCTEAU TWINSに「Lorelei」という曲があるんです。聴いていたとき、自分でもこういう曲が書きたい、自分たちなりの解釈でできたらいいなと思っていたんですね。それでローレライという言葉の意味を調べてみたら、ギリシャ神話で言うセイレーンのような感じで、その歌声で船乗りを惑わせて、破滅させてしまうっていう水の精の伝説があるんです。それにも惹かれましたね。

上條:僕が、そのローレライさんになれたらいいなということで(笑)。人を惹きつけられるような魅力的な歌を歌いたいなって。

-この曲は他の曲に比べると、ちょっとメッセージっぽいというか、投げ掛けるような響きも感じます。

オグラ:それも完全に自分の中では"スター・ウォーズ"でしたけどね(笑)。"大丈夫 あなたは"というフレーズは、敵に攻め込んでいくようなときに掛ける言葉としての"大丈夫だよ"というのもあるし、自分に対して"大丈夫だよ、安心して"という意味合いも込めて書いていて。今までのpopoqの曲には、そういうふうにリスナーに問い掛けるような歌詞はなかったんですけど、この曲はリスナーに寄り添うものでもあるのかなと思います。

-そしてラストが「solaris」。まさに先ほどから出ている宇宙に関連したタイトルがここでも出てきましたね。

右京:これは渉さんが弾き語りで作っていた曲で。半年くらいの間作っていたんですけど、原型は今とは全然違うもので。

上條:今は3拍子ですけど、もとは4拍子の曲だったんです。

右京:メロディもコードも違ったんですけど、彼が曲作りでスランプになってしまって、僕が引き受けたんです。これは絶対にいい曲になるって見えていたから、そこからすぐにできて。

上條:たしかに。最初に弾き語りでできたときに、右京が"これでいこう"と言ってくれたので。まさに「flower」ができたときの感覚と同じでしたね。そこで歌詞を書いていったんですけど、右京から"solaris"というワードを貰っていたので、"惑星ソラリス"という映画を観たりして、僕のそのときの気持ち──夜になってセンチメンタルになってしまう気持ちとかを書いていきました。

-この「solaris」でMVを作っているんですね。それくらい手応えがあったと。

上條:はい。「flower」をきっかけに僕たちのことを知ってくれたり、好きになってくれたりする方って多くいるんですが、そういう人たちが「solaris」を聴いてくれて、"「flower」を好きになった頃を思い出すような曲だね"って言ってくれたり、"だけど新しい曲だね"って言ってくれたりするんです。全部の曲がもちろんそうだと思うんですけど、この「solaris」はよりpopoqらしい1曲なのかなって思っています。

-マニアックさもありポップ性もあり、ひと言では言い切れないような音楽を作ろうっていう姿勢を改めて感じます。

右京:そういうものが好きなんです。何か新しい象徴になりたいと考えたとき、こうだねってすぐにわからないものの方が、絶対に面白いじゃないですか。

上條:だから"〇〇っぽいね"というよりも、"popoqらしいね"というのがいいですね。