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INTERVIEW

Japanese

Drop's

2019年04月号掲載

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Member:中野 ミホ(Vo/Gt)

Interviewer:山口 智男

-歌詞の中にもあるように実際ホーンがファンファーレのように鳴る「毎日がラブソング」は、10年目のアニバーサリー・イヤーに相応しい曲になったと思うのですが、10周年を迎えるにあたってはどんな気持ちなのでしょうか?

正直10年やってきたという感じはあんまりなくて、東京に出てきてからがほんとの始まりというか、自分たちで動かなきゃって思ったのがここ2年ぐらいなので、10周年だけど、ここからが新しい始まりであると同時に、この2019年でバンドの活動を磐石なものにしていかなきゃいけないとすごく感じたので、多保さんと「Cinderella」と「毎日がラブソング」の2曲を作ったことをきっかけにして、なんにも縛られずに、新しいことや面白いと思ったことはみんなでどんどん取り入れてやっていきたいですね。

-10周年を迎えることをきっかけに活動に弾みをつけようと。

はい。振り返ると言うよりは、10周年っていい響きだから、それを利用していろいろな人に見てもらいたいという気持ちです(笑)。

-じゃあファンはこれまで以上に精力的な活動を期待していいと?

はい。ライヴも自分たち発信の企画を含め、いろいろやりたいと思っていますし、ライヴでも同期を使い始めたので曲作りでも怖がらずに使ってみたいです。

-さて、Bo Diddleyビートがかっこいい「空はニューデイズ」もそんな新しいスタートに相応しい曲になっていますが、今回、春をイメージしながら、そういう明るい曲ばかりにならずに「ムーン・ライト」や「SWEET JOURNEY BLUES」といったメランコリーがちょっと入り混じるところがやはりDrop'sならではなのかなと。

それは嬉しいです。

-さっきもおっしゃったように手放しでハッピーだけでは物足りないところがあるんですね?

ロックを聴き始めた中学生のころは、自分のもやもやした気持ちを言ってくれるような歌に惹かれたというか、誰にも話せないような気持ちを歌ってくれようなバンドが好きで、やっぱりそこから始まっていると思うから、そういうところはなくしたくないし、そういう気持ちで歌を作りたいところがあるんですよ。今回の曲たちは東京に出てくる前後に書いたものが多くて、2年以上前の曲もあるんですけど、環境が変わって大変だと思ったことを含め、そのとき思ったことをそのまま書いている感じなんです。

-あぁ、「SWEET JOURNEY BLUES」なんてまさに、故郷をあとにして旅に出るときの希望と不安が入り混じっている気持ちが伝わってきますね。

はい、まさにそういう歌です(笑)。

-「ムーン・ライト」、「空はニューデイズ」、「SWEET JOURNEY BLUES」はすでにライヴでもやっていますが、今回レコーディングするにあたって工夫したことはありましたか?

「ムーン・ライト」と「SWEET JOURNEY BLUES」は、鍵盤を荒谷(朋美/Gt)が弾いているので、それによって幅が広がったと思います。「毎日がラブソング」がいろいろな音を使った明るくてパワーがある曲になったので、"それに負けないように"ってキーボードを入れてみたんです。演奏自体はライヴでやっているバージョンと大きく変わっているわけではないんですけど、音色ですね。音色は結構考えました。

-「毎日がラブソング」を作ったことで、バンドの演奏や音色の選び方もひと皮剥けたわけですね。今回中野さんが一番思い入れのある曲は?

やっぱり「SWEET JOURNEY BLUES」ですね。今回の中で一番古い曲で、札幌にいるころ、前のドラムが抜ける最後のライヴ("Drop's ONEMAN LIVE「SWEET JOURNEY BLUES」")でやったんですけど、そこからリリースがなかったのでずっと取っておいたんです。それをこのタイミングで、ミナ子さん(石川ミナ子/Dr)が入ってからの4人でやれたのは良かったですね。

-そのあとに2曲ライヴ音源が入っていますけど、「SWEET JOURNEY BLUES」で終わることに大きな意味があったんですか?

そこまで考えてはいなかったですけど、「毎日がラブソング」が一番新しくて前に出ている曲だとしたら、「SWEET JOURNEY BLUES」はずっと大事にしてきた――個人的には札幌時代の自分に別れを告げる曲なので、それを最後に入れることで、ここで1回区切りというか、"もう振り返らないぞ"ぐらいの気持ちはあると思います。

-『organ』と『trumpet』というかっこいいミニ・アルバムを2枚聴かせてもらって、今の4人でがっつりと作ったフル・アルバムを聴いてみたいと思いました。

ありがとうございます。今頑張って曲をたくさん作っているところです。

-さらに新しいタイプの曲もできていますか?

曲自体は私が作っているのでそんなに変えようとは思っていないんですけど、音の面では結構チャンレジしたいと考えています。

-荒谷さんや石川さんが、新しい音楽を聴いていろいろなアイディアを出してくれるんでしたっけ?

荒谷ももともと、ジャーン! という激しいギターを弾くタイプなので、以前はいわゆる最新のサウンドにはそんなに興味はないのかなと思ってたんですけど、最近は新しい音色を持ってきてくれるので頼もしいです。

-聴いている音楽も変わってきたんですか?

そうですね。最新の洋楽を普通に聴いていて、すごいな、現代っ子だなって思います(笑)。