Japanese
ナードマグネット
2018年06月号掲載
Member:須田 亮太(Vo/Gt)
Interviewer:TAISHI IWAMI
-そして現在、主に東京と大阪をかなり激しく行き来されていますが、両都市それぞれに感じることはありますか?
すごく面白いと思います。僕の肌感覚ですけど、まず東京は新しいことにチャレンジしているバンドが多い気がします。現行の世界の音楽を意識したうえで、日本人のアイデンティティもしっかり持ってるいいバンドが多い。大阪はわちゃわちゃ楽しくマンパワーで、みたいな。その人懐っこさがいいんですよね。ただ、大阪で世界照準のインディーっぽいこととかやってる人たちは苦戦してるイメージがあるんで、そういう人たちは東京の方がうまくいくのかもしれないです。
-そういう"現行の世界の音楽"を知りながら、従来のパワー・ポップやロック・バンドのサウンドを外さないことに、理由はあるんですか?
意地になってるところもあるかもしれないです(笑)。R&Bとかヒップホップとか、いろんな音楽が好きで、今はそこが主流にあるのもわかっているんですけど、だからこそ、もうラウドなギターがいらないのかって考えると寂しくなるし、そういうバンドの居場所はないといけないと思ってるので。
-その想いに対して、時代錯誤にならないことへの意識はありますか?
めちゃくちゃあります。ややもすると、自分たちのやっていることって、ただのノスタルジーになりかねない音楽だとは思うんで。
-そうならないために、どういうことを心掛けていますか?
音楽も映画も好きなんですけど、常に最新のものをチェックすることですね。そこは、もちろん好きでやってるんですけど、意識的にそうしている部分もあります。それでサウンドが00年代初頭やったら大丈夫かなって。"世の中の流れはこういうでも自分はこうありたい"っていう感覚ですね。ミュージシャンとしてもリスナーとしても、現役でいたいんです。
-そのポリシーが、現在所属されているTHISTIME RECORDSとも噛み合っていると思うんです。そして、ひとつのレーベルが発信していることで、街のライヴハウスはまず埋まるようになり、そこにある熱量は、まだまだ広がっていきそうな予感に溢れています。
パワー・ポップって、ニッチなジャンルではありますけど、ニッチなままにしたくないっていう気持ちもあるんで、少しずつ盛り上がってきてるのは嬉しいです。
-オーソドックスなサウンドで間口は広いんですけど、正直地味な印象はあるじゃないですか。
そうですね。
-世界的に見ても、ナショナル・チャートのレベルで持続的に盛り上がったのは、本人たちがパワー・ポップと思っているかどうかは別として、CHEAP TRICKとWEEZERとFOUNTAINS OF WAYNEくらいでしょうか? 国内だと思いつかないんですけど、ここにきて、ナードマグネットには注目してるんです。
話題性はないんで、もう力技ですよ。気づいたら年間100本とかライヴしてましたし。狭いサークルになったらそれで終わりだと思うんで、合う合わないは考えずに、いろんなバンドと対バンしようと。
-本質的には全方位対応型だと思うんです。
ほんとに、そこが魅力だと思うんですよ。なのにマニア向けみたいになってるから、そういう村みたいなのがあるなら飛び越えていきたいって思いながらやり続けてます。そしたら"俺もWEEZER好きやねん"って、いろんなスタイルの人たちと繋がったりできるんですよ。
-そのように開けてきたところで、今回リリースする両A面シングルの1曲が「FREAKS & GEEKS」。"ナード"マグネットが"フリークス"で"ギークス"ってすごい(笑)。
パワー・ポップはポピュラリティなポテンシャルがあるはずだと思ってやってたら、多少なりとも受け入れてもらえた感触もあったんで、じゃあこのタイミングで何ができるか考えた結果なんです。
-その結果とは、どういうものですか?
最近ライヴハウスに違和感を覚えることがあって。もっと自由な場所なのに、画一的な感じ。最低限のマナーはもちろん必要ですけど、過剰に暗黙のルールや禁止事項があったりしてちょっと窮屈だし、バンドも盛り上げるにあたって同じ動きを求めたりするじゃないですか。そうすると、盛り上がってない自分が悪いみたいに思っちゃうこともあって、それが気持ち悪いんですよね。
-わかります。
普段周りに馴染めない人たちの受け皿がライヴハウスだったんじゃねぇのかって。ある程度地盤が固められた今、こういうことを歌ってもいいんじゃないかって思ったんです。両A面のもう1曲「THE GREAT ESCAPE」も、「FREAKS & GEEKS」とは曲調も含めイメージは違うかもしれませんが、言ってることは同じなんですよ。
-"フリークス"で"ギークス"が"グレイト・エスケイプ"するっていう流れですよね。
そうです。そこは一貫してるんです。
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