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INTERVIEW

Japanese

LAID BACK OCEAN

2018年06月号掲載

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Member:YAFUMI(Vo) KAZUKI(Gt) KYOHEI(Ba) SEIJI(Dr) SYUTO(Pf)

Interviewer:杉江 由紀

月は海に潮の満ち引きをもたらす。そして、月は昔から飽きることなく暗い新月の夜から始まる物語を、地球にいる私たちに繰り返し見せてくれている。バンド始動から、実に8年。紆余曲折を経ながらも、常に果敢なるスタンスで活動を続けてきたLAID BACK OCEANが、いよいよ満を持してこのたび完成させた1stフル・アルバムには"NEW MOON"の名が冠せられることとなった。フロントマンであるYAFUMIが放つ強烈なメッセージと、ピアニストを擁するバンドとして彼らが織りなす躍動感に溢れる音。今作に詰まったLAID BACK OCEANの世界は、きっと聴く者を時に鼓舞し、時に驚かせ、そして時に感動させるに違いない。


今現在のLAID BACK OCEANが発する瞬間最大風速的なピークを凝縮させた


-LAID BACK OCEANにとって、キャリア8年目にして1stフル・アルバムとなる『NEW MOON』は実に内容の濃い作品に仕上がったようですね。今作の制作へ向かう際、バンド側としてはその中にどんな想いを込めたいと考えられていたのでしょうか。

YAFUMI:今までの8年間のLAID BACK OCEANというよりは、今のLAID BACK OCEANを表現したいという気持ちが強かったかなぁ。単なる集大成としてのアルバムを作りたいわけでなかったので、あくまでも今現在のLAID BACK OCEANが発している瞬間最大風速的なピークの部分を、このアルバムの中には凝縮させたかったんですよ。

-とはいえ、今作に収録されている15曲の中には長くライヴで演奏してきた楽曲たちも、かなり含まれていますよね?

YAFUMI:時系列の面で言えば、いろんな時代に作った曲を入れました。去年ずっとやっていた、"RE:SOUZOU PROJECT 2"(※2016年、2017年に行った3ヶ月連続リリース・プロジェクト"RE:SOUZOU PROJECT"第2弾)の中で作ったものも別バージョンとして入れていたりするし。ただ、自分たちにとってどんなに思い入れがある過去の曲でも、今のLAID BACK OCEANが持っているバンドとしての温度感にそぐわないものは、このアルバムには入れてません。

KAZUKI:このアルバムはまず、曲選びをする段階から結構大変だったんですよ。8年間の中でだいたい100曲くらいは作ってきているし、その中からいったん50曲くらいをピックアップしつつ、さらにその中からこの15曲に絞り込んだんです。

YAFUMI:まぁ、わかりやすさの面ではLAID BACK OCEANにとっての代表曲とされている「カップラーメン ジェネレーション」(2011年リリースの1stミニ・アルバム『夢の修理屋』収録曲)を入れたりして、ベスト盤みたいな構成にするというやり方もあったんだろうけどね。でも、あえて今回はそれを避けました。

SYUTO:あとは、このアルバムに入れるにあたって既存曲の温度感を上げるためにアレンジを改造した曲もいくつかありましたね。

KAZUKI:だから、自分たちからすると既存曲も含めてこのアルバムに入っている曲は全部が新曲! という感じがすごくするんですよ。

-では、ここでパートごとの立場と見地から、今作を仕上げていくうえで心掛けていたことを教えてください。

SEIJI:僕はドラマーとしてどうこうという意識よりも、とにかく"バンドがやりたい"という気持ちが強くて、そのための道具としてドラムを使っている感覚があるんです。だから、自分がどう叩きたいということではなく、バンドや曲から求められることに対して精一杯に応えたい、という気持ちでプレイしました。なので、別にこのプレイを聴け! みたいな部分は特にありません。

YAFUMI:正直でいいねー(笑)。SEIJI君は、結構引き出しが多いタイプのドラマーなんですよ。それってとてもありがたいことだなと僕はいつも思ってます。

-LAID BACK OCEANの場合、リズムの面だけで考えても小気味よい軽快な楽曲から、アグレッシヴなロック・チューンまで、タイプは多岐にわたりますものね。

SEIJI:器用さが求められるところは、たしかにあります。瞬発力勝負というか、メンバーからの期待に対して瞬時に球を狙い所にちゃんと返せるかどうかはすごく大事です。そして、返したときにメンバーのみんなが"いいねぇ!"って盛り上がって笑顔になってくれたら、僕は最高に嬉しいんですよ。

-完全に、SEIJIさんは奉仕型ドラマーでいらっしゃるのですね。一方、その相方であるKYOHEIさんは今作に対してどのように向き合われていたのでしょうか。

KYOHEI:LAID BACK OCEANでベースを弾いていくにあたり、自分が最も忘れたらあかんなと思っているのは"YAFUMIというヴォーカルの歌と歌詞をちゃんとリスナーに届ける"ようにせなあかん! ということです。それがまずは根底にあって、それとは別にトリッキーなフレーズや小賢しいアプローチで弾きたいと思う自分も場面によっては出てきますけど(笑)、それをすることでもし楽曲の中に濁りのようなものが生まれてしまう可能性があるんだとしたら、そこはLAID BACK OCEANとしてどうなのか? ということをいつも優先して考えます。ただでさえ4P+ピアノという構成で、基本的には賑やかな感じで音が鳴っているバンドですから、その中でYAFUMIのことを引き立たせるために自分はどこにどんな音を置くべきなのか、というところに今回も徹しました。

-職人肌なベーシストとしての、潔い矜持を感じるお言葉です。

KYOHEI:まぁ、それでも入れられるところにはちょっとした小技も入れたりしましたけど、ベーシストとして必要以上のエゴは捨てる覚悟をしっかりと持ったうえで挑めたレコーディングやったと思います。だから、この音に対して一切悔いは残ってません。