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INTERVIEW

Japanese

Ivy to Fraudulent Game

2017年12月号掲載

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Member:寺口 宣明(Gt/Vo) カワイ リョウタロウ(Ba/Cho) 大島 知起(Gt) 福島 由也(Dr/Cho)

Interviewer:秦 理絵

シューゲイザーに影響を受けた幻想的な音像をオルタナティヴなロック・サウンドへと昇華する4人組ギター・ロック・バンド Ivy to Fraudulent Gameが、12月6日に1stアルバム『回転する』でメジャー・デビューを果たす。今作にはライヴの定番になっているアグレッシヴなロック・ナンバー「青写真」や「アイドル」を始め、すでに廃盤で入手困難となっていた初期作「+」を再録で収録。かつてないほど陽性のエネルギーを湛えた新曲「革命」には、ここからより広いフィールドへ歌を届けていくためのバンドの強い決意も刻まれていた。インディーズ時代にリリースしたミニ・アルバム『行間にて』『継ぐ』を遥かに超えて、いまのバンドのすべてを込めた快作で新天地へと臨む4人に話を訊いた。

-まず訊きたいのがメジャー・デビューを発表した恵比寿LIQUIDROOMのライヴ(2017年7月9日に開催した[2nd mini album "継ぐ" release tour "告ぐ" -one man series-])。あの日は寺口さんの声の調子が悪くて......。どういう想いでライヴをしてたんですか?

寺口:前日が大阪のワンマン(同ツアーの心斎橋 Music Club JANUS公演)だったんですけど、そのときから声の調子が悪かったんですよね。その時点で"今日を乗り切れたとしても、明日はダメだろうな"っていうのはわかってたというか。なんとかやり切ったけど、東京は絶望的だったんです。

福島:ライヴが終わって、ノブ(寺口)が本当にヤバい顔をしてたから、スタッフも"どうしよう?"っていう感じになってたし。僕らもどうすることもできなかったし。

大島:不安で仕方なくて、大阪から東京に移動する間ひと言も喋らなかったですね。

カワイ:直前まで中止にするかっていう話もあって。

寺口:正直迷ってました。

-結果ライヴ自体はやることになったけれど、途中から声が出なくなってしまった。

寺口:うん......そうなんだよね。最初の1、2曲目はいけるんじゃないかって思ってたんだけど、どんどん掠れていって。でも、あの日は終わったあとに情けなさとか悔しさもあったんですけど、それと同じぐらい......なんか嬉しかったんですよ。

-嬉しかった?

寺口:うん。"俺、やり切った"って思ったんですよね。

-たしかに完全燃焼だったと思います。だから、あの日ステージで寺口くんは"リベンジしたい"って言ってたけど、終演後に会ったとき、"リベンジは必要ないライヴだった"って言ったのを覚えてるし。

寺口:不思議なんだけど、悔しいのに"いいライヴをしたな"って思えたんですよ。

大島:僕も横で(寺口の)声が出なくなっていったのがわかるんですけど、なんて言うんですかね......普段のライヴとは違って、まったく冷や冷やしてなくて。

福島:そういう次元じゃなかったんだよね。音程が正しいとか、声が出てるとか、そういうのがどうでもいいぐらい俺は感動してたし、ノブが誇らしかった。で、だんだん観る側の人と同じ感覚になって泣いちゃったんです、最後の方で。

寺口:あの日の感じは説明できないですね。だって声が出ないってわかってるのに、ライヴが始まる前とか何も怖くないんですよ。緊張もゼロだったし。

-普段のライヴでも緊張はしないんですか?

寺口:いや、めっちゃしますよ。いつもは準備してきたことを100全部出そうと思うから緊張するんです。でも、そのときは"今日は俺、5しかないよ。どうする?"っていう状態だったから。それぐらい(ダメになるのが)わかり切ってたんです。

-あのライヴのあと、喉の方はどうですか?

寺口:5日間ぐらい声が出なくて、鼻歌でも声がひっくり返る状態でした。正直、手術も覚悟してたんですけど、病院に行ったらできものとかじゃなくて。いまは大丈夫です。

-それを聞いて安心しました。で、この日にメジャー・デビューを発表したわけですけど、メジャーという場所に関してはどういうふうに考えていますか?

福島:僕は不安がデカいですね。メジャーに対してのイメージってあるじゃないですか。

-バンドがやりたいことができなくなって潰されるみたいな?

福島:そう。そういうみんなが抱くようなイメージを、僕も抱いてたので。でも自分たちの音楽を聴いてもらいたい気持ちはあるから、それを広める手段ですね。どう活動していくかは自分の意志でどうにかできるはずだから。

大島:やっていくことはあんまり変わらないかなぁと思いますね。

カワイ:触れてもらう機会を増やすためにメジャー・デビューをするだけで、それ以外はいままでの延長だったりもするので。

寺口:正直、音楽をやっている人間からすると、メジャーとインディーズの垣根はなくなってきてるじゃないですか。でも、例えば業界にいない友達とかだと、メジャーをきっかけに認めてくれる奴も正直いるので。得したことはそれぐらいかな(笑)

福島:いまのところね。

寺口:だから世間からするとメジャーって大きいんだっていうのは肌で感じてます。