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INTERVIEW

Japanese

Omoinotake

2017年08月号掲載

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Member:藤井 怜央(Vo/Key) 福島 智朗(Ba/Cho) 冨田 洋之進(Dr)

Interviewer:蜂須賀 ちなみ

-だから今は作曲が藤井さん、作詞が福島さんなんですね。そうして方向性をシフトして以降は、2016年に"RO69JACK"入賞、さらに今年に入ってからは全国流通盤(『So far』)をリリースしたり初のワンマンを開催したりと、バンドが良い方向に向かっていってるんじゃないかなと傍から見ていても思うんですけど。

福島:うん、間違いなくそうですね。

藤井:もちろんまだまだですけどね。やっと何とか始まることができました。

-あと、路上ライヴをよくしてるようなので、それも大事な要素のひとつなのかなと。

藤井:路上ライヴをやり始めたのは去年の冬ですかね。(今年の)1月に出たアルバムをレコーディングしてたのが去年の夏ぐらいだったんですけど、出るまでに4~5ヶ月ぐらいある中で"俺らの今のこの頑張りで全国流通を出したところでどうもならないな"って思って。

-なるほど。路上ライヴをやることによってバンドに還元されてるポイントはあるんですか?

藤井:もう還元しかないぐらいですよ。

冨田:まず心が折れなくなったよね。

藤井:それは還元なのか(笑)? あと、今までは結構マイナー調の曲の方が多かったんですけど、メジャー調の曲が多くなったのは路上の存在が大きいですね。外の素敵な雰囲気の中でマイナー調の曲ばかりやっても、自分たちも何だか盛り上がらないし、やっぱりメジャー調の曲をやるとお客さんの顔がパッと明るくなるので。

-今回のアルバムもメジャー調の曲が多いですよね。

福島:そうですね。リード曲の「Ride on」がまさにそうで。

藤井:この曲は原型が結構前からあって、もっとブルージーな感じだったんですけど、"何か違くない?"、"もうちょっとストレートにしよう"っていう話になって。

福島:俺、正直最初は"恥ずかしい"って思ってたんですよね。"こんなにまっすぐな曲でいいのかな?"って。「Bedroom」なんかもそうだけど。

-「Bedroom」は初のバラードでしたよね。

藤井:そうですね。一応以前はバラードっぽい曲もあったんですけど、方向転換してからだとこの曲が初です。

福島:なんか、違和感なくこういう曲を普通に出せるようになったなぁと。前だったらもっと抵抗があったかもしれないけど。

藤井:当時は"横ノリを取り入れよう"っていうのに必死で、歌心よりも"どうやったらいいノリを作れるのか"っていう方に力を注いでたから、そこまで気が回らなかったんですよ。でも今は"俺の歌をいかに立てるか"っていう方向にだいぶシフトしてきているので。

-自分たちのノリやグルーヴみたいなものが確立されつつあるタイミングだったからこそ、今回ここまで振り切ることができたと。

藤井:まさにそうだと思います。

冨田:あと、何かシティ・ポップっていうものに嫌気がさしてきたというか。

-それはどういうことですか?

冨田:最近めちゃくちゃ流行ってるじゃないですか、こういうジャンルの音楽って。そことの違いを何か見つけたくって。だから雰囲気重視ではなく、俺らは怜央の歌やメロディの良さを一番に置きたかったんですよ。そうすると、作る曲も自然と変わっていって。

福島:そうだね。

藤井:特に「Bedroom」に関しては曲の作り方からして他の曲とは違って。他の曲はメロディから先に作っているんですけど、この曲に関しては最初に歌詞が(福島から)来て、そこに俺がアコギで歌いながらメロディを付けていったんですよ。その時点ではこの曲を収録するかどうかも特に考えてなかったんですけど、「Bedroom」みたいなバラードがあれば、他の5曲でまだ歌えていなかった生活の中での感情を歌えるだろうし、"あなたの生活に寄り添う"というコンセプトにも合うなって思って。そこから考えたっていう流れです。

-"あなたの生活に寄り添う"というコンセプトが出てきたのは、どうしてですかね。

福島:それは単純にお客さんの数が増えてきたことが大きいかもしれないです。聴いてくれている人から曲の感想とかをもらったりすると"あ、そういう感じで聴いているんだ"っていう実感みたいなものが湧いてきて。今まではそういうのなかったよね。

藤井:うん。自分が言いたいことをただ言う感じだったよね。

福島:正直これまでは、僕が語感重視で歌詞を書いていたんですけど、今回は歌詞のメッセージ性も意識して書きましたね。

藤井:だから「Ride on」の歌詞が送られてきたときはマジでビビッて。本当にこんな歌詞を書く奴じゃなかったので、"うわ、スゲー振り切った!"と思って、ある意味感動しましたね。

福島:根暗な自分との決別をね。