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INTERVIEW

Japanese

LACCO TOWER

2017年08月号掲載

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Member:松川 ケイスケ(Vo) 塩﨑 啓示(Ba)

Interviewer:山口 智男

-その「遥」は亀田誠治さんのプロデュースですが、LACCO TOWERがプロデューサーと組むのって、今回が初めてですよね。

松川:巡り合わせでそういうお話をいただいて、やらせてもらうことになりました。これまではセルフ・プロデュースにこだわっていたし、それこそ、そこが自分らの一番大事な部分だと思っていたんです。でもさっきお話しした、自分らにとって何が一番大事なのかってことをちょうど考えていたタイミングだったんで、自分らがこだわるべきところは、そこじゃないだろうって。結果、僕らのことを尊重していただいたんですけど、僕らとしては、やるなら思いっきりやってもらわないと意味がないからぐらいの感覚でいたんで、"やるなら思いっきりやってください"って最初に伝えましたし、提案されることもほぼ受け入れましたし、"もっとないですか? もっとないですか?"って――

-もっともっとっていうのは?

松川:僕らのプロデュースに対するイメージがたぶん間違っていたんですけど(笑)、すごく手を加えたものが来るんだろうと思っていたら、亀田さんは曲がもともといいから、あまり手を加えずに、俯瞰で見て、こういうふうにした方がいいと思うよってところを提案してくださったんですよ。そういう意味では、僕らが構えすぎていたんですけど、"大丈夫ですか? もっと何かないですか?"って。ちょっと貧乏くさいんですけど(笑)。

塩﨑:そういう意味で欲しがっちゃったんですよ。でも、"シンプルでいいんだよ"って。何かやらないと不安なんですけどってところも、"いや、そのままでいきましょう"と。どんどん足していって、曲が構成されていくってイメージだったんですけど、そこまでしなくても十分完成されてるからっていう。僕たちも、"あ、そういうことか"って、15年やってきて凝り固まっていたなって改めて思いました。そういうところを崩してもらって、すごくいい経験になりましたね。

松川:もっともっとバンドだったんですよね。来週、"黒白歌合戦"っていう自分らのイベントがあるんですよ(※取材日は7月11日)。2部構成で、自分らの曲を白っぽい(イメージの)曲と黒っぽい(イメージの)曲に分けてやるんですけど、そのリハーサルを昨日もやりながら、昔の曲は......特に激しいやつはこってりしているなって(笑)。だからこそ、僕らっぽいっていうのはあるんですけど、すんげぇこってりしている。こんなのよくやってたなって個人的に思ったんですよ(笑)。

塩﨑:白の方でも思ったでしょ(笑)?

松川:うん、白の方でも思った。それがバンドの体質だったんですよね。


全部乗せじゃなくて、3、4パターンある中からどれがいいか選ぶようなアレンジが多かった


-そう言われてみると、今回の曲はあっさりしているとは言えないですけど、アレンジ、演奏ともに以前ほどこってりはしていない。

塩﨑:今回は、コクを出したみたいな。

松川:ダシの旨みですよね。

-まさにそういう作品ですね。細川(大介/Gt)さんのギターのアプローチも変わったような気がしました。

塩﨑:いっぱい重ねていくやり方から、とびきりのやつをひとつっていう方向になってきましたね。それは楽器隊全員がそうで、3、4パターンある中からどれがいいか選ぶような作り方というか、これもいい、これもいいで全部乗せじゃなくて、もともとの良さを生かすようなアレンジが多かったですね。

-歌詞は今回もまた、様々な人間関係や、そこで起こる感情を描いていますが、刃傷沙汰になりそうなものはないですね。

松川:そうですね。「夕顔」がちょっと怪しいといえば怪しいんですけど、表現的にはそこまでではないですね。

塩﨑:あぁ、得意の不倫の歌ね(笑)。

-夕顔の花言葉を調べて、びっくりしたんですよ。

松川:調べちゃいましたか。

-儚い恋と罪深い人なんですね。

松川:そうなんですよ。最初は"夕顔"ってタイトルにするつもりはなかったんですけど、元の曲が上がってきたとき、そういう曲にしたいと思って、何かいいタイトルがないかなと思って調べていたら......。最近、昼顔ってよく耳にするじゃないですか。だから、"昼顔か。昼顔にしてやれ"と思ったんですけど、さすがにそれはダメかなと思って、朝顔、昼顔、夕顔ってあるよなって流れから、そういえば夕顔の花言葉って、あまり良くない感じだったよなと思って、調べてみたらそれだったんで、それがいいって。歌詞は今回、「夕顔」が一番好きかもしれない。速攻で書けたんですよ。今まで3拍子の曲ってなかったせいか、その曲が上がったとき、チームの中で"泣ける曲にしてくれよ。期待してるぜ"みたいなのがあったんですけど、あまりピンと来なくて。もちろん、いい曲だと思ったんですけど、泣ける曲よりも絶対、こっちの方向の曲がいいだろうって思って、こうなっちゃいました(笑)。