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INTERVIEW

Japanese

MOLE HiLL

2017年08月号掲載

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Member:新 大作(Vo/Gt) にっぽ(Gt) tadaa(Ba) 440(Dr)

Interviewer:秦 理絵

京都発の4人組ロック・バンド MOLE HiLLが、前作アルバム『Time』から約1年ぶりとなる新作ミニ・アルバム『普通でいいこと?』をリリースする。全国のライヴハウスでお客さんと直接顔を突き合わせてメッセージを手渡すという真摯な活動を大切にしながら、同時に高校生の部活ソングを書き下ろすというプロジェクトにも関わってきたMOLE HiLL。そんな経験を経て完成された今作は、"普通の幸せとは何なのか?"を問い掛けながら、彼らなりの答えを見いだそうとした作品だ。いま改めて歌を届ける責任を感じつつ、ロック・バンドとして研ぎ澄まされていく4人にメール・インタビューを敢行した。

-前作アルバム『Time』からおよそ1年ぶりの新作になります。この1年間はバンドにとってどんな時間になったと思いますか?

新:新しい挑戦をしまくった1年でしたね。特に楽曲制作に関しては、いままでしたことのない手法で作った曲がいくつかあり、新作にも何曲か収録されています。

にっぽ:たくさん失敗を重ねながら、答えを導き出した1年だったと思います。

tadaa:できることが増えたいまだからこそ、いままでの経験をより洗練させた新しいMOLE HiLLを出せている気がしています。

440:これまではライヴハウスがほとんどでしたが、梅田ロフト前、池袋サンシャイン噴水広場J:COM Wonder Studio(東京スカイツリータウン・ソラマチ)など、いろんな場所でライヴをさせていただく機会が増えました。僕たちの音楽を広く届けられる機会が増えて、ライヴ演出に対する考え方が変わりました。"どうやったらかっこよくライヴができるか"、"盛り上がるか"をずっと考えていたんですが、いまは"この曲のメッセージ、世界観がより伝わるためにはどうするか"を考えて構成しています。

-『Time』を引っ提げたフリー・ライヴや、昨年から年明けに京都や東京で開催したワンマン・ライヴでは、どのような手応えを感じましたか?

新:楽曲があってこそライヴなので、表現の幅が広がった『Time』の楽曲同様、その楽曲で作るライヴの表現の幅も広がりましたね。迫力や熱量だけじゃない、繊細な表現の仕方もできるようになったと思います。

にっぽ:自分たちでも着実にライヴが進化していっていると感じることが多かったです。ライヴ中にはお客さんの良い笑顔を見れたり、終わったあとに"すごく良かったね"って声を掛けられることが増えたように感じます。

tadaa:フリー・ライヴを通じて、いままでMOLE HiLLのことを知らなかった方にも、存在を知ってもらえている実感があります。初めのうちは慣れない部分もありましたが、買い物や観光など音楽以外の目的で来ている方にも響いたときは嬉しかったです。

440:正直フリー・ライヴは毎回かなり悩んだり、試行錯誤しながらのライヴでした。MOLE HiLLのことを知らない方にどうやったら伝わるのか? 興味を持ってもらうにはどうすればよいのか? メンバーやスタッフと本番ギリギリまで話し合って考えていましたね。ワンマン・ライヴはその活動の集大成的な感じで挑みました。ステージからみんなの顔がはっきり見えて、"どこで出会った"とか、"あのとき話し掛けてくれたな"とか、ひとりひとりに思い出があったので、フリー・ライヴがワンマンに繋がっていることを実感できました。

-最近では高校生応援プロジェクトとして、全国の高校生の部活ソングを作るという活動を行っていますが、活動を通じてどのような刺激を受けましたか?

新:誠実にひとつのことと向き合うことの大切さと素晴らしさを改めて感じました。

にっぽ:高校生のひたむきに頑張る姿や目標に向かう姿勢に刺激を受けました。良い意味で発する言葉が生々しいというか、まっすぐで、心がきれいな子が多いなと感じました。

tadaa:朗読。ソフトボール。突き詰めることで人を感動させることができることを改めて感じました。部活ソングを朗読してくれたり、歌ってくれたときは鳥肌が立ちました。

-今作『普通でいいこと?』は「帰り道」、「ノンフィクション」という部活ソング2曲のほか、"J:COMチャンネル 第99回全国高等学校野球選手権大会 地方大会"テーマ・ソング「始まりの音」も収録されるなど、聴く人の背中を押すようなエール・ソングが多く収録されています。ミニ・アルバムを作るうえでのテーマは何かありましたか?

新:何が起こるかわからないいまだからこそ、何も特別なことではなくて、"普通でいられることの幸せ"を感じて頑張れることもあるんじゃないかな、というテーマで作りました。日常を歌ったライフ・ソングはわかりやすいですが、応援ソングにも、ひたむきに頑張る仲間との絆を深めることが幸せに繋がりますし、そこにある毎日に向けて贈っています。

-"普通でいいこと?"というアルバム・タイトルには、どんな意味がありますか?

新:普通でいられることって、本当はそれだけで幸せなことだったりする。ならば"その普通の幸せって?"という問い掛けです。それに対して、"僕たちが思う普通の幸せ"をこのアルバムの中で表現しています。

にっぽ:普通であることが決して悪いことではなくて、いかに幸せなことか。感じてもらえればなと思います。

440:例えば仕事から帰って、家族、恋人、友達とかと食事をすることって、普通なようで、実はすごく幸せな時間だと思うんです。でも当たり前だと思ってやり過ごすと、なかなか気づかない。そんなことを気づかせてくれるアルバムになっていると思います。