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INTERVIEW

Japanese

MOLE HiLL

2017年08月号掲載

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Member:新 大作(Vo/Gt) にっぽ(Gt) tadaa(Ba) 440(Dr)

Interviewer:秦 理絵

-リード曲「モノゴコロ」はミドル・テンポの優しいメロディに乗せて、心のままに毎日を生きることの大切さが歌われています。この曲を書こうと思ったきっかけはありますか?

新:この曲は僕が見たある夢がきっかけで作りました。それは自分がいなくなってしまう変な夢です。あと少しで続きがなくなると思ったときに目が覚めて夢だと気づき、"自分にはまだ続きがあるんだ"と思うと、それだけですべてがとても幸せに思えたんですよね。そのときに"何かを手にしなくても、何かに気づくことで、幸せはそこにあって、何かに気づくことで解放される苦しみもあるんじゃないかな"と思って作ったのが「モノゴコロ」でした。

-「モノゴコロ」をリード曲にしようと思った理由はありますか?

新:このアルバム全体の説明書のような曲なので、今回のリード曲にしました。

にっぽ:心が折れそうになったり、迷ったり、それは必ず誰にでもあることで、言わば普通のことだと思うんです。そういうことが誰にでもあるとわかれば、見える世界も変わってくると思うんですよ。このアルバムで一番伝えたかったのがこの曲です。

-「ノンフィクション」、「帰り道」の2曲は部活ソングとしての書き下ろしですが、「ノンフィクション」は"自分の手で未来を掴もう"という強い気持ちを、「帰り道」は仲間との絆が歌われています。それぞれそのテーマを選んだ理由を教えてください。

新:実際に、生徒や顧問の先生たちとディスカッションし、部活の信念をテーマにしました。どちらも熱い想いがあったので、着色しすぎず、そのまま曲にしようと思いました。

にっぽ:「帰り道」は、みんなで部活帰り、あたり一面夕日に包まれた道を歩きながら、その日の話を楽しくしながら帰っているイメージが出てきました。部活のこと、授業のこと、好きな人のこと。「ノンフィクション」は、大きな声を出して応援してる姿、夢を掴んでやろうとする姿、そういったイメージを曲に反映させました。

-高校野球テーマ・ソングになった「始まりの音」は、"世界の中の自分"という歌詞のテーマにリンクするような壮大なバンド・サウンドが印象的で、バンドの新境地となる楽曲だと思いました。どんな楽曲をイメージして作り始めましたか? また、高校野球のテーマ・ソングとして、このようなテーマを選んだ理由を教えてください。

新:凝り固まった概念を壊すような、破壊力のある曲を作ろうと思いました。歳を重ねていろんなことを知ったはずなのに、自分の生きる世界は縮まっていく。そう感じたときに、幼いころに感じていたひたすら広い世界に生きていたいと思いました。高校球児のエネルギーとこの曲が合わさることで、心を揺らす強い力になるんじゃないかなと思っています。

にっぽ:シンプルにバンド・サウンドで図太く、力強く"このメッセージを伝えたい"と思いこのサウンドになりました。勢いがあり全力な感じの楽曲が、頑張る高校球児とリンクするんじゃないかと思います。

-「shiny blue」はハートウォーミングなウェディング・ソングです。ウェディング・ソングを書こうと思ったきっかけはありましたか? サウンド的にはアコースティックな肌触りでありながら、各パートのソロ回しで聴かせる間奏もかっこよかったです。レコーディングはどのように進みましたか?

新:この曲は、友達夫婦の結婚式で歌うために作った曲です。海が好きなふたりだったので、夏の砂浜を一歩一歩一緒に歩く姿をイメージして作りました。

にっぽ:レコーディングに関してはアコースティックな雰囲気を残しつつ、間奏の部分では、海でふたりが遊んでいるような景色をサウンドで表現してみました。

tadaa:ベース・ソロは、ギターの音域ぐらいの高い音を使っていて、ライヴでメインに使っているベースには出せない音域なので、ライヴで再現するのに苦労しています(笑)。

440:個人的には、ベース・ソロからドラムのリズムが入るところが、夕日が沈むときの浜辺のイメージをかなり表現できているのでお気に入りです。

-「99+1」は"何度負け続けた相手にも初めてのように挑むんだ"という強いメッセージがミニ・アルバムの最後を締めくくるのに相応しい曲です。この曲を今作の最後に収録したことには、どんな意味がありますか?

にっぽ:人生って挑戦の繰り返しだと思うんです。何度でも立ち向かっていってほしい。それを楽しいと思えるほどに。そのメッセージをアルバムの最後に伝えたかったです。

新:何かに挑むことができるのも、当たり前じゃなくて、それも幸せなことのひとつだと思います。

440:最後のサビで"未来を変える瞬間を/迎えるのはこの場所"とういう歌詞があるのですが、まさにこのアルバムを聴いて未来を切り開くきっかけになれば嬉しいですね。

-前作のレコーディングを通じては"音楽を鳴らす意味を改めて見つめ直した"ということを話していましたが、今作のレコーディングを通じて改めて気づいたことなどあれば教えてください。

新:答えがないものに答えを作るということは、自分たちで責任を持つということなんだと改めて思いました。そういう気持ちで作り上げた作品だからこそ、自信を持って世に送り出すことができています。

にっぽ:純粋に、音楽の楽しさや奥深さを知りましたね。本当に音を鳴らすのが楽しかったし、深いなと実感しました。

440:MOLE HiLLの想いがストレートに表現できたアルバムだと思います。音もメッセージも。きれいにまとめて聴きやすく仕上げるのも大事なことですが、より強く想いを伝えるときは、少し荒々しくしたり、泥臭い方が伝わりやすいこともあるんだなと気づきました。ドラムもストレートに表現できたので、ライヴでやるのが楽しみです。

-最後に、9月9日には渋谷eggmanにてワンマン・ライヴが開催されます。どんなことを伝えるライヴにしたいと思いますか?

新:どこか遠いところにあるものじゃなくて、もともと自分たちが持っているものを輝かせよう、ということをライヴで伝えたいですね。

にっぽ:つらいことやイヤなことも忘れられる時間、そして、ライヴ後には"もう一度頑張ってみよう"って思ってもらえるようなライヴにしたいです。

tadaa:普通であることの幸せも噛み締めてもらいたいし、"だから頑張れるんや"って気づいてもらえたら嬉しいです。MOLE HiLLが好きでたまらなくなるようなライヴにします!

440:MOLE HiLLのすべてを感じてもらえるライヴになると思います。すべてを知ってもっとMOLE HiLLのことを好きになってほしいですね。