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INTERVIEW

Japanese

ポタリ

2017年03月号掲載

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Member:鈴木 奈津美(Vo) 中西 詠美(Gt) 内田 愛子(Ba) 茄子川(Dr)

Interviewer:秦 理絵

"春、ラヴ・ソングというものに特化した名盤を作りたかった"。愛知を拠点に短いスパンでリリースとライヴを精力的に行っているポタリが、大きな自信を胸に、3月22日にニュー・シングル『ハルノカゼ』をリリースした。"春"をテーマに掲げたという今回のワンコイン・シングル。カップリングには地元・豊橋に工場がある有楽製菓の人気チョコレート菓子"ブラックサンダー"に書き下ろしたという「FLY HIGHER」も収録。どちらもストレートなメッセージとシンプルなアレンジを意識して完成させたというポタリの勝負作だ。なぜ、今回のシングルでポタリは"春"にすべてを捧げることができたのか、4人に話を訊いた。

-年明けには、前作『ナイショ ナイショ』(2016年10月リリースの6thシングル)を引っ提げた東名阪ワンマン・ツアーもありましたけど、今回はどんなツアーでしたか?

中西:メンバーの結束を一番深めるツアーだったなと思ってます。たぶん『ナイショ ナイショ』でロックな1枚を作れたから。いままでポップなライヴとか、ロックなライヴとか、いろんな内容でやってみて、"いま勝負できるのは何なんだろう?"みたいなことを何回も話し合うなかで、自分たちの音楽をもっと追求できるようになったというか。だからステージに立つのも楽しくなって。いい意味で気が抜けてきた感じですね。

鈴木:たしかに『ナイショ ナイショ』を出して、この曲があるから大丈夫だろう、この曲で響かない人はいないだろうっていう安心感を持ってステージに立ててる。自信がプラスされたので、ツアーをいい気持ちでスタートさせられたっていうのはありますね。

茄子川:全国ツアーをまわって、そのファイナルが東名阪ワンマンだったんですけど、いままでのファイナルより自然にできたと思ってます。気を張りすぎてない、自分たちらしいライヴをできたなって。終わってみたら"いままで気を張ってたなぁ"って思いましたね。



-内田さんはどうですか?

内田:CDを出すと毎回思うんですけど、音源の状態だとわからない曲の雰囲気が、ツアーを通じてわかるんです。思い入れもどんどん強くなるし、自分の中で大事になっていく。ツアー中に毎日のようにスタジオで演奏もしたし、本当に真剣に話し合いもしてきたから、そういうものがワンマンで再現できたなっていうのを感じました。

-楽曲はCDが完成形じゃないっていうことですよね。

内田:そうですね。そこはちょっと後悔というか......出す前もここまで考えてれば、もっと心を込めてできたかもしれないな、とは思いましたね。

-ベテランのミュージシャンでも、"ライヴの中で曲が育っていく"っていうことはあるみたいですよ?

内田:そういうものなんですね。でも、私が小さかったときは、音源がすべてだと思ってたから。やっぱりCDにも込められるだけ込めて演奏しないと、それがすべての人もいると思うので、その精度を上げたいんですよね。

-なるほど。さっき中西さんが言ってた、"ロックなのか、ポップなのか"っていうのは、インタビューで話してても、ポタリが毎回悩んでる部分ですよね。

鈴木:そうですね(笑)。

-前作の『ナイショ ナイショ』はロックに振り切ったシングルだったけど、あれから、そこに対する考え方は変わったんですか?

中西:結局、自分たちが良いって思うものじゃないと、ダメだなって思うようになりました。かっこいいって思う感情にウソはつきたくない。だから、ジャンルにこだわるよりは、自分たちが決めたものを自信持ってやれば、それがポタリになるって気づいたんです。

鈴木:なんか......『ナイショ ナイショ』ができて、ツアーをやったときに、メンバーが私に対して"もっとこうして"とか何も言わなくなったんです。もちろん大きな失敗とかは反省するけど。"自由にやってくれればいいよ"って感じで。

茄子川:何も言われないのはプレッシャーだった?

鈴木:ううん。プレッシャーは何もなかった。ここは考えるところだけど、ここは考えずに自分らしくやった方がいいんじゃないかなっていうのが、なんとなく自分で掴めそうな気がするっていうか。みんなが環境を作ってくれたなと思うんです。

中西:なんかね、真面目すぎるんですよ。

-そうですね(笑)。ポタリは真面目。それは話してると思います。

中西:真面目すぎるから、自由な空気を作らないとダメだなっていうことに気づいたんです。もっとラフに、"もういいじゃん、なんとかなる"ぐらいに考えるようにしたら、いろいろ気がラクになったんです。

鈴木:みんな真面目だから、考えすぎちゃうんだよね。

中西:そんなに考えたって、目の前の人が何を思うかなんて、結局、私たちにはわからないし。もっと素直にいることが大事なんだなって。そのままの私たちの人柄を好きになってくれたら嬉しいし、それで音楽も好きになってくれるなら本望ですよね。

内田:ある意味、みんなお互いのことを、本当にこういう人間だなっていうのを認めたと同時に、諦めたんですよ。"ここはどんだけ言ってもダメだな"というか(笑)。

鈴木:そうだね(笑)。

内田:それで私も許されてる部分が多いと思うんですけど、そこには責任が生まれるんですよね。ここは自分の良いところだと思われてる部分だから、ちゃんとしようとか。それを、それぞれがやっていけばいいっていう4人の空気ができたんです。