Japanese
イツキライカ × Keishi Tanaka
2016年11月号掲載
イツキライカ(井戸健人)
Keishi Tanaka
インタビュアー:石角 友香 Photo by 川村 隼也
-バンド同士の横の繋がりは国内/海外関係なくってことですね。
Keishi:そうですね。例えばアメリカで共演したSOFTLIGHTESのメンバーの家に泊めてもらったことがあるんですが、逆に考えたらMARCHING BANDが"京都でやるから泊まらせてくれよ"って、いきなり言ってくるみたいなことです(笑)。
井戸:あぁ、そうか(笑)。
Keishi:それをやってあげなきゃなと思って。でも、いきなりでけぇ外国人を泊めるのか......とはもちろん思いますけどね(笑)。1回、THE STRIKESってバンドのメンバーのところに、バンドとマネージャーの6人で泊まらせてもらったことあるんですけど、考えたらすげぇいい奴だなと思って(笑)。フェスで1回しか会ったことがないような外国人を、よく泊めて一緒にライヴしてくれたなと。MARCHING BANDはスウェーデンですよね。僕、ノルウェーのベルゲンが好きなんで、ベルゲンにレコーディングしに行ったことがあるんですけど。
-それはRiddim Saunter時代のTHE ROYALTIESとの交流ですよね。
Keishi:そのときもみんなすごく良くしてくれたから、返していきたいなというか。あっちがジャパン・ツアーで来たときに一緒にツアーを回って仲良くなって、"そのお返しだ"みたいなことを言ってくれるんですよね。繋がっていくのが音楽の力だなと思うし、そういうのをなるべく続けていきたいなと思います。
井戸:こないだ、ノルウェーのBEEZEWAXと対バンして。あわよくば向こうに呼んでくれそうです。オスロかな? 都市はどこになるかわからないんですけど。
-井戸さんは海外のバンドが来日したとき、積極的にコミュニケーションを取ってるところがあまり想像つかないですけど(笑)。
井戸:(笑)もうめちゃくちゃ拙い英語で。
Keishi:僕も英語喋れないんですけど。
井戸:あ、そうなんですか? 書くことはできるんですよね?
Keishi:歌詞は英語で書くこともたまにありますし、昨日も(MARCHING BANDに)新作を渡しましたけど、喋れるか、喋れないかという話ではなく、渡したいから喋るということです。会話したいという気持ちが強い。
井戸:僕はジェスチャーを交えて......というか、ほぼジェスチャーだけでやりとりしていました。
-でもそこはミュージシャンのいいところで、お互いのライヴを観たら通じ合えるところがありますよね。
Keishi:そうそう、昨日のデュオの感じがKINGS OF CONVENIENCEみたいだなって。
井戸:おぉ、やった。KINGS OF CONVENIENCE、めっちゃ好きですね。Erlend Oyeの最新作(2015年リリースのソロ・アルバム『Legao』)も好きですね。
Keishi:そのベルゲンで飲みに行ったら、"あれ、Erlend Oyeじゃね?"ってなって。
井戸:あの人、見たらわかりますよね。
Keishi:オセロ大会が始まって、そのあとセッションになって。それがきっかけで、日本で対バンしましたよ。
井戸:すごい!
Keishi:英語が喋れなくても、そうやって繋がっていくんだと思います。
-ところで、スーパーノアは一度も関西から離れようとはしなかったんですか?
井戸:そうですね。メンバーがそこに住んでるんで。
Keishi:今は、そういうのがいいなと思うんですよ。地元に根づいて、LOSTAGEの五味(岳久)さんみたいに奈良を背負って立つじゃないですけど。FLAKE RECORDSのDAWAさんもそうで、大阪でやることに意味を感じてるんだと思うし。そういう人が各都道府県にいると思うんですけど、まだ出会ってない人もいるじゃないですか? 飲食店でもその場所でやることに意味を持っている人は素晴らしいと思います。
-今は東京もひとつのローカルだという捉え方もできますし。
Keishi:そうですね。昔はどうしても東京に出ないとって考えがあったと思うんですけど。僕は北海道出身で、18歳のときに出てきたんですけど、僕が今、高3だったら出ていこうと思うかわかんないというか。インターネットが普及して情報も均一化されてるし、昔より地域差がフラットになってきてる気がするんですよね。
-作品作りの環境が。
Keishi:良かったりしますもんね。"自分でスタジオを作って......"とか、北海道ならできる気もしますけど。
-北海道はわりと自分のスタジオを持ってるバンドがいますよね。
Keishi:土地が余り狂ってて安いんで(笑)。
井戸:"余り狂ってる"(笑)。
-意外な接点もあったので、もしかすると今後お二方が何かで繋がることもあるかもしれないという期待が生まれてきました(笑)。
Keishi:初対面でこんなこと言うのも失礼ですけど、今回の作品を聴いて、ちょっと捻くれてる感じや、天邪鬼的な感じが好きだなと思いました(笑)。
井戸:(笑)
Keishi:そういうのがある人の方が面白いし、曲にポップスの要素もあるところで歌詞から情景が見えるというか。"この人、何を言いたいんだろうな?"とか、逆側のことを言ってハッピーなことを伝えたがってるとか、奥行きのある音楽が好きなんです。あとは井戸さんの佇まいが好きです(笑)。
井戸:あぁ(照)。ありがとうございます。ちょっと笑ってもらえたらいいなと思ったので、嬉しいです。
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